文=丸山素行 写真=野口岳彦、B.LEAGUE

アルバルク東京がファイナルに向けた練習を公開

アルバルク東京vs千葉ジェッツのBリーグファイナルまであと3日。A東京は今日の練習をメディアに公開した。練習は冒頭のみの公開となったが、そこではA東京の持ち味であるボールと人が連動するオフェンスの確認が主に行われていた。これはシーズンの初めから毎回やってきたものだと竹内譲次が明かす。そうした徹底した反復練習が今のA東京の強さを形成している。

ただ、大事な試合の前とあって強度は抑えられていた。『鬼軍曹』のルカコーチも「一番良い状況でプレーさせるのが一番」と、集大成のファイナルに向け万全を期す。

あまり相手チームによって戦術を変えないルカコーチだが、「オフェンス、ディフェンスともに千葉対策の練習をしている」と明かす。「波があったのでそこだけが心配ですが、それを乗り越えてきたシーズンです。波があった中ここまで来た。勝つか負けるかは分からないが、やるべきことをやるだけです」

別メニューでの調整も問題なし「良い準備のうちの一つ」

先週行われたシーホース三河とのセミファイナルでは2戦連続で延長戦にもつれる激闘となり、蓄積した疲労はピークに達している。そうした背景もあり、田中大貴とジャワッド・ウィリアムズはコンディション調整のため別メニューをこなしていた。

田中大貴は、三河との第2戦でハムストリングを痛め途中でベンチに下がるシーンがあったが、その影響はなく、あくまでベストコンディションに仕上げるための調整と田中は言う。「ああいうシーンもあったのでケアしながら、どれだけ疲労を取れるか。先週の試合は肉体的にも精神的にもものすごいタフなものでしたし、リフレッシュして臨むことも良い準備のうちの一つ」

「緊張感はあります。ワクワクというか、そこの舞台に立てるうれしさはありあすが、どうやったら勝てるのかとか、どういった戦いをしなきゃいけないのか、自分はそういうのを考えている」と現在の心境を語った。

「1週間良い準備をして目の前の試合に臨む」

トヨタ自動車アルバルクに加入して5シーズン目、意外にも田中に優勝経験はない。常に優勝候補に挙げられるチームの主力としてプレーする田中にとって、優勝への思いは誰よりも強い。

「このチームに入ってから毎年チャンスはあったと思うんですけど、一回ファイナルまで行ってアイシン(現三河)に負けて準優勝だったのもありますし、個人的にも何が何でも取りたいという思いは正直あります」

それでも、田中は気負いすぎることなく静かに準備を整えている。「この1年間、どうやって戦ってきたかというと、1週間良い準備をして目の前の試合に臨むという過程を大事にしてきました。もちろん決勝なので意識しないことはないですけど、千葉さんの調子をコントロールすることもできないですし、審判の笛をコントロールすることもできないので。自分たちがコントロールできる部分をどれだけ最高のレベルに持っていくかが大事です」

「あと1試合、きれいな勝ち方はないと思うので、1点でも上回りたい」と締めた田中。自身初となる戴冠へのカウントダウンは始まっている。