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動かなかったこの1年を後悔、西のトップを狙うチームへ

西カンファレンスの競争を3位で勝ち抜きプレーオフに進出したトレイルブレイザーズは、現チームでの限界を迎えたとみられている。

エースのデイミアン・リラード、CJ・マッカラムのデュオはリーグ屈指のバックコートだが、結成から5年間でカンファレンス準決勝に勝ち上がったのは2回しかない。今シーズンのファーストラウンドでは、アンソニー・デイビス、ラジョン・ロンド、ドリュー・ホリデーを擁するペリカンズに手も足も出せず、スイープ負けを喫した。

辣腕GMとして知られるニール・オルシェイは、今オフに積極的な補強を実行するつもりだ。昨年のオフ、それから今年2月のトレードデッドライン時期に今後のドラフト指名権、トレードエクセプション(過去のトレードで放出した選手の年俸が獲得した選手の年俸を上回った場合、その差額に10万ドルを加えた金額を選手獲得に使えるルール)を守ろうとするがあまり、思い切った決断ができなかったと語った。ドラフト・コンバインの会場で取材陣に対応した際には「今年のオフには、プレーオフで活躍できる選手を取りにいく」と話している。

ブレイザーズでは、オールラウンド型のセンター、ユスフ・ヌルキッチが今オフに制限付きフリーエージェントになる。スーパースターではないが能力は高く、リラードとマッカラムとの相性も良いため、できることなら残しておきたい。しかしブレイザーズは、サポーティングキャストのエバン・ターナー、モーリス・ハークレス、メイヤーズ・レナードと年俸1000万ドル(約11億円)を超える契約を結んでいるため、他チームからヌルキッチに高額のオファーが届くとなれば、この中から1人か2人を放出しなければマッチできないだろう。

今のチームで西3位躍進は素晴らしい結果だ。ヘッドコーチのテリー・ストッツの手腕によるところが大きいが、ウォリアーズとロケッツとの差は大きく、この両チームを上回るには相当な努力が必要となる。来年のプレーオフを見据えたチームを作るため、今夏オルシェイは休み返上でチーム編成に頭を悩ますことになりそうだ。