シュルーダーの退場でサンダーは失速
プレーオフファーストラウンド、ロケッツvsサンダー第5戦はジェームズ・ハーデンが31得点を挙げ、19本の3ポイントシュートを高確率で沈めたロケッツが114-80で勝利し、シリーズ突破に王手をかけた。
前半を終えた時点でロケッツが3点リードと拮抗していたが、第3クォーターに試合が動いた。攻守が噛み合ったロケッツはエリック・ゴードンの速攻やハーデンのドライブなどで19-2と一気に突き放した。そして、残り6分51秒にはデニス・シュルーダーがスクリーンを避ける際にPJ・タッカーの下腹部を殴打し、タッカーが頭突きで報復したことで両者が退場となる一幕があった。
サンダーが前半を接戦に持ち込めたのは、前半だけで19得点を挙げたシュルーダーの存在が大きかった。彼を失ったサンダーに反撃の力は残っておらず、後半を66-35と圧倒したロケッツが3勝目を挙げた。
右太ももの筋挫傷によりここまで4試合を欠場していたラッセル・ウェストブルックがこの試合で復帰。24分の出場で7得点6リバウンド7アシストを挙げ、チームの勝利に貢献した。ハーデンはウェストブルックの復帰を歓迎した。
「彼がエナジーをもたらした。俺たちに欠けていた刺激をもたらしてくれたんだ。俺達には彼が必要なんだ」
ウェストブルックはフィールドゴール13本中3本成功と決して本調子ではなかった。2週間半ぶりの実戦となり、ロケッツの指揮官、マイク・ダントーニも「彼がまだ本調子ではないのは分かっていた」と語った。それでもウェストブルックの存在の大きさをあらためて認識した。
「最初の4試合を彼抜きで戦った。今は彼が戻り、何ができるかを考えようとしている。彼は小さなひらめきをチームに与えてくれた」
サンダーのクリス・ポールは16得点3アシストと気を吐いたが、4ターンオーバーを犯すなど試合の流れを変えることができなかった。選手会の会長を務めるポールは、バックスがマジックとの第5戦をボイコットし試合が延期となり、再開するまでの間にオフコートで奔走していた。それでもポールは「言い訳はできない。私たちのチームだけではなく、みんなにとっても感情的な数日間だった」と語り、弁明しなかった。