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若い力で逆転、最後はアル・ホーフォードが締める

東カンファレンス決勝、セルティックスvsキャバリアーズの第2戦。セルティックスが鮮やかな逆転勝ちを収め、このシリーズで2勝0敗と先行した。

前半はキャブズのペース。ゴール下まで割って入らせないディフェンスが機能し、セルティックスはうまくボールを動かせずにアウトサイドシュートも停滞。キャブズは第1戦の不振が嘘のようにアグレッシブで、レブロン・ジェームズを軸にパワフルなバスケットを披露。第1戦では前半で35点しか取れなかったキャブズがこの試合では55得点を奪い、フィールドゴールは51%。逆にセルティックスは攻撃の軸を作れずにフィールドゴール率43%と、55-48のスコア以上にキャブズの優勢ぶりが目立った。

ただし、キャブズにとって悪い予兆はあった。第2クォーター残り4分、左サイドからアタックしたレブロンのあごに、これを阻止しようと飛び込んだジェイソン・テイタムの肩が激突。しばらく片膝をついて動けなくなったレブロンは、フリースローこそ投じたものの、そのままロッカールームへと引き上げた。数分で戻って来たが、首を痛めた影響は少なからずあった。

後半、ホームの『要塞』TDガーデンで圧倒的な強さを誇るセルティックスにスイッチが入る。積極性を取り戻し、テイタム、テリー・ロジアー、ジェイレン・ブラウンが次々とリングにアタック。ワイドオープンのシュートを打つチャンスも増え、一気に逆転にまで持っていった。

84-77とセルティックスのリードで迎えた最終クォーター、トップギアに入ったレブロンが先ほどケガをさせられた時のような激しいディフェンスをモノともせずアタックしてバスケット・カウントをもぎ取り、必勝の気迫を見せるが、ここで立ちふさがったのがアル・ホーフォードだ。それまでは若手を支える役回りを演じてきたが、勝負どころで自らアタックを始め、プレッシャーのかかる局面で重い得点を重ねていく。

97-89で迎えた残り4分、アル・ホーフォードが鋭い動き出しでキャブズ守備陣の裏を取ると、これを見逃さずマーカス・スマートがアリウープのパスを送る。ところがジャンプしたアル・ホーフォードはJR・スミスに背後から押され、空中でバランスを崩して転倒。スマートがスミスに詰め寄り両チームが揉み合う事態に。スミスにはフレグラントファウルが宣告され、派手に転倒したが無事だったアル・ホーフォードがこのフリースローを2本とも沈める。続くポゼッションでもアル・ホーフォードがケビン・ラブをスピンムーブでブチ抜いて得点し101-89に。

まだ3分半を残していたが、このJR・スミスのファウルとアル・ホーフォードの不屈の闘志を前にキャブズは意気消沈。終盤に波乱を起こすことができず、そのまま敗れている。レブロンが42得点12アシスト10リバウンドと活躍しながらの完敗は非常に痛い。

さらに議論になりそうなのがJR・スミスの危険なファウルだ。試合に勝ち、アル・ホーフォードも幸いに無事だったが、試合後のマーカス・スマートは厳しい言葉でスミスを非難している。「悪質なプレーを見逃せば、次にまたやる。あれが1回目じゃないことはJRにだって分かっているだろう。仲間の一人がやられて黙っているわけにはいかない」とスマートは怒りを隠さない。実際に大ケガにつながりかねない、ディフェンスとして明らかに正当ではないプレーであり、今後ペナルティが科される可能性もある。

セルティックスはホームでの開幕2連戦をともに勝利。セルティックスは過去、7試合で争うシリーズで2勝0敗と先行した27回のケースで、すべて勝ち抜いているとのこと。第3戦と第4戦は敵地で戦うことになるが、そこでも勝つことができれば、早期決着も見えてくる。