赤穂雷太

「タイミングや流れを早くつかむことがコツ」

『全国学生フリースローチャレンジ』は新型コロナウイルス感染症の影響で全国大会の中止が続く夏に、学生プレーヤーがチームとして何かに取り組み、ソーシャルディスタンスを保ちつつ全国のライバルに挑戦できる場を提供したいとして企画され、日本バスケットボール協会の主催によりこの8月に行われている。年齢を問わず高校生まで参加できるが、ミニバスチームが前期大会で優勝するジャイアントキリングもこの大会の魅力だ。

今回、千葉ジェッツから富樫勇樹、田口成浩、赤穂雷太、佐藤卓磨、西村文男が挑戦し36本を記録。メンバーは直前にスタッフから招集されたため、練習なしの一発勝負で挑んだという。このフリースローチャレンジに参加した赤穂は「何も知らずに突然参加しましたが、やってみたら盛り上がって楽しかったです」と感想を語る。

チームは36本を記録し、赤穂自身はノーミスだった。本人は「キセキが起こりましたね(笑)」と言い、こう続ける。「大学の時はどっちかと言えばフリースローは苦手でした。それでも今日も全部決められたし、特別指定でプレーした昨シーズンも8分の8だったので、今シーズンも100%を目指します」

それでもこのフリースローチャレンジは通常のフリースローとは異なり、赤穂も「あの速いテンポでフリースローを打つことなかったので、いつもと違いました。普段はルーティンがある中でフリースローを打つので、あんなにパンパンと打ったのは初めてです」とこの企画の難しさを語る。

ただ、実際にやったからこそ分かったコツもあると言う。「タイミングや流れを早くつかむことがコツですね。この企画は5人でグルグルと回るので、その流れは結構決まっていると思うんです。自分の場合は前の人が打ったら3歩でラインに行く、みたいに決めて打ったらキセキが起きて全部決まりました。いつものルーティンではないですけど、自分に合う何かを見つけられれば上手くできると思いますよ」

Bリーグも新型コロナウイルスの影響で昨シーズンは途中で終了し、選手たちもバスケができない日々が続いた。千葉もようやく対面練習などができるようになり、赤穂は「やっぱりバスケットができるのは楽しいですね。ワークアウトはやっていましたが、こうやってみんなとバチバチやり合う方がバスケは楽しいなと実感しました」とバスケができる喜びを感じている。

Bリーグは10月に新シーズンが開幕することが決まっているが、中高校生の今後の大会の開催についてはいまだ不透明な状況だ。赤穂は言う。「僕も今年、大学の部活を退部して挑戦する道を選んだので、大変なことがいっぱいあると思います。今の中高生や大学生も最後の大会があるのかもまだ分からない状況で、精神的にも本当にキツいと思うんです。それでも今まではバスケができることが当たり前でしたが、本当はそのことに感謝をしなければいけないと感じました。最後の大会があるかどうかはまだ分からないけど、しっかりとそこに向けて準備をして最後は本当に悔いのないように頑張ってほしいです」