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シューターが揃うウォリアーズにおいて『異色』の存在

ファンの間で『事実上の優勝決定戦』と言われているウォリアーズvsロケッツの西カンファレンス決勝が、5月14日から始まる。

ここ4年間で初めてプレーオフのシリーズ初戦を敵地で迎えるウォリアーズ。ヒューストンへの遠征を前に、指揮官スティーブ・カーは、今シリーズのキーマンにショーン・リビングストンを指名している。カーは「ショーンが頼みの綱になる。対戦相手に関係なく、私はショーンを使う」とコメント。与えられた役割を理解しているリビングストンは「俺はベンチから出場して、プレーを安定させる。それが自分の役目」と言う。

「正しいプレー、必要なプレーを実行する。ボールを持つべき仲間に渡して、俺自身もアグレッシブにプレーする。ボックスアウトをしっかりやって、ローテーションでやるべきことをする」

キャリア11年のベテランは、ウォリアーズでの4年間で2回の優勝に貢献。今シーズンもベンチから平均17.7分の出場ながら7.3得点、フィールドゴール成功率46.8%を記録し、チームに安定感をもたらしている。

知的で経験豊富な選手として知られているリビングストンは、実はウォリアーズで『異色』の存在だ。今シーズンもリーグ最高の3ポイントシュート成功率を記録したウォリアーズにおいて、リビングストンはレギュラーシーズン中わずか5本しか3ポイントシュートを放っていない。そしてプレーオフでも、ここまで放った3ポイントシュートは1本のみ。これまでも年間16本以上3ポイントシュートを打ったことがないリビングストンは「ウチはリーグで一番たくさん3ポイントシュートを打つチーム。そのおかげで自分のプレーも生きてくる。他のチームだったら、こうはいかないだろうね」と話す。

敵地でのシリーズ開幕については「楽しみだ。シリーズのトーンが決まる。恐怖に対応できるように準備を整えておかないといけない」と言う。「敵地でランを決められても、相手に抑えられてしまう。観客も試合に入り込む。それでまた流れを作らないといけなくなってしまうんだ。やり直しになるということだよ」

4年連続のファイナル進出に向け、リビングストンには慢心も油断もない。「ファイナルに勝ち進むためにプレーしている。優勝するためにやっている。些細な部分への意識、優勝に向けたインテンシティは常に高いレベルにないといけない。コートで全力を尽くさないといけないんだ」

ステフィン・カリー、ケビン・デュラントのように華やかな舞台に立つ存在ではないかもしれない。だが、リビングストンの活躍なくして、ウォリアーズの2連覇はあり得ない。