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ビッグネーム獲得で優勝を目指せるチームへと飛躍?

現代のNBAでは、優勝するのに3人のスター選手を集める『ビッグ3』構想が不可欠。ましてや、ウォリアーズのように4人のオールスターが先発に名を連ねている今、『ビッグ3』でも不十分と言われるようになった。だが、今シーズンの『サプライズチーム』に満足せず、さらに次のステップに進むには、少なくともあと一人のビッグネームが必要だろう。

ヘッドコーチのブレット・ブラウンは、セルティックスとの東カンファレンス・セミファイナルに敗れた後「優勝するにはハイレベルなフリーエージェント選手を獲得する必要がある。このチームには、大物を引き付けられるだけの魅力はある」と語った。

現時点でシクサーズの来シーズンの年俸合計目安は7000万ドル(約76億円)前後。まだ来シーズンのサラリーキャップは発表されていないが、単純計算しても3000万ドル(約33億円)以上の空きがサラリーキャップにある。これだけの余裕があれば、大物フリーエージェント選手を一人獲得するには十分だ。

シクサーズに限らず、この夏はキャップスペースに余裕のあるすべてのチームがレブロン・ジェームズの獲得に動くだろう。レブロンは先日、次の契約先を決める条件の一つに「優勝できる環境」を挙げた。もしレブロンがキャバリアーズを離れ、東カンファレンスのチームに移籍するとしたら、もっとも優勝できる環境が整っているのはシクサーズだ。

シクサーズは、ジョエル・エンビード、ベン・シモンズを擁しているだけではない。5月15日に行なわれるドラフト・ロッタリーで、もしレイカーズが2018年の全体1位指名権を引き当てた場合、その指名権はシクサーズに譲渡される約束になっているのだ。もしシクサーズに全体1位指名権が渡れば、3年連続でドラフト1位指名権を得ることになる。この指名権とのトレードでビッグネームを獲得することも可能だろう。

チームのプランを伝え聞いたジョエル・エンビードは、夏の選手勧誘に進んで協力する意思を示している。「チームにとって必要なら何でもする」と語ったエンビードは「自分がチームのリーダーだという自覚がある。勧誘するのに自分の力が必要なら、協力する」と続けた。

来週のロッタリーの結果次第で、シクサーズのプランは動き出す。ようやくドアマットチームから抜け出したばかりだが、長い低迷期に溜め込んだ飛躍のエネルギーはまだまだ残っている。シクサーズがどういうプランを実行しようと、さらに強力なロスターとともに来シーズン開幕を迎えられるはずだ。