ファウルトラブルにつけ込んだ怒涛のランで先勝
横浜ビー・コルセアーズと西宮ストークスによる残留プレーオフ第2戦。ターンオーバーを減らし、インサイドの強みを生かした横浜が、絶対に負けられない第2戦を制し、その勢いのまま第3戦にも勝利。奮闘する西宮を振り切り、逆転で勝ち上がりを決めた。
序盤、堅さが見える横浜に対し、ターンオーバーからの速攻、岡田優の3ポイントシュートで7-0と西宮が先行する。だが川村卓也がファウルを受けながら3ポイントシュートを沈める4点プレーでチームを落ち着かせると、その後は拮抗した展開に。
岡田は厳しいマークを受けるもそれを上回り、4本すべての3ポイントシュートを成功させ14得点を荒稼ぎする。だが横浜はオフェンスリバウンドで6-2と上回り、8本のアシストを記録したチームバスケットで追いすがり、24-27と3点差まで詰めて第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入っても一進一退の攻防が続くが、抜け出したのは横浜。チームファウル5に到達した西宮ディフェンスの強度が落ちると、この機を逃さずアグレッシブに仕掛け、このクォーターだけで12本のフリースローを獲得。満田丈太郎が岡田を封じ、インサイド陣も粘りのディフェンスでゴールを死守する。パーマーの3ポイントシュートを皮切りに、前半ラスト3分間で14-0と走った横浜が52-39と逆転し、一気に突き放した。
後半、細谷の連続3ポイントシュートなどで横浜はリードを20点に広げる。西宮はドゥレイロン・バーンズの個人技で反撃するも、横浜は西宮のゾーンディフェンスを攻略してリードを保つ。残り3分、再び点差を20に乗せた横浜が102-81で第2戦に勝利した。
制空権を支配した横浜が逃げ切り
昨日の第1戦は西宮、そして今日の第2戦を横浜が取り、決着は第3戦へ持ち越された。20分間のインターバルを挟んで行われた前後半5分のこの試合、西宮は第2戦の後半で3分間しかプレーしなかった岡田を先発に起用する。髙橋哲也ヘッドコーチはこの起用法を「前半足を痛めてしまったことと、梁川が良かった。第3戦を見据えつつ、このメンバーのほうが第2戦は追いつくには良いんじゃないかという判断で岡田を休めた」と説明した。
余力十分の岡田は再びスコアラーとしての期待に応え5得点を挙げ、西宮が11-8とリードして前半を折り返す。後半開始1分、キャメロン・リドリーのオフェンスリバウンドからパスを受けたバーンズの3ポイントシュートで14-8と西宮が抜け出す。
横浜にとっては悪い流れだったが、このピンチを細谷将司が救う。強気の3ポイントシュートを沈めた細谷は、さらに直後のディフェンスでオフェンスファウルを誘発し、西宮に行きかけた流れを断ち切った。すると、インサイドに分がある横浜はハシーム・サビート・マンカがフリースローを獲得し、2本目を外すも自らフォローする3点プレーで16-15と逆転する。
残り34秒で道原の3ポイントシュートを浴び1点差に迫られた横浜だが、残り5秒で川村がフリースローを獲得。1本目を決めて20-18とするも2本目を外し、西宮にラストチャンスを与えてしまったが、5秒はあまりにも短かった。道原がタフな体勢から3ポイントシュートを狙うも決まらず、20-18で横浜が逃げ切った。
一夜にして課題を修正、ターンオーバーを改善
辛くも勝ち切った横浜。尺野将太ヘッドコーチは「ターンオーバーを減らすこと、リバウンドを取ってセカンドチャンスを与えないこと。それが今日勝つために必要なことでした。選手がやるべきことをそこを集中してやってくれたおかげです」と勝因を語った。
敗れた第1戦では、17-6と西宮の倍以上のターンオーバーを犯して自滅したが、第2戦では7-12、第3戦でも1-6とターンオーバーの改善が勝利に直結した。また第3戦で西宮にシュート確率で劣ったが、オフェンスリバウンドで7-2とし、手数で上回ったことが勝利を引き寄せた。
西宮の高橋ヘッドコーチもオフェンスリバウンドを敗因に挙げる。「オープンスリーを打たせないこととインサイドでプレーをさせないことがゾーンのコンセプトでした。横浜はゾーンオフェンスが得意じゃなく、実際インサイドで点は取られなかったが、オフェンスリバウンドを取られセカンドチャンスポイントをやられました。インサイドの弱点をぬぐえなかったです」
大一番に勝利した横浜だが、まだ安心はできない。富山グラウジーズvs島根スサノオマジックの勝者との試合が残っている。敗れた西宮は、B2プレーオフの結果次第で、わずかながら残留の可能性が残されている。