0勝3敗と追い詰められたシクサーズ、苦悩するジョエル・エンビード「あきらめるわけにはいかない」

0勝3敗と追い詰められたシクサーズ、苦悩するジョエル・エンビード「あきらめるわけにはいかない」

2020/08/22
ジョエル・エンビード

30得点13リバウンドも敗戦「スウィープなんて嫌だ」

セブンティシクサーズにとっては悪い流れを断ち切ることができるはずの試合だった。0勝2敗で迎えたセルティックスとのプレーオフファーストラウンド第3戦、最初の2試合ではジョエル・エンビードへの依存度が高すぎ、終盤の疲労が溜まる時期に彼とともにチームも息切れ。それでもこの試合ではサポートキャストが奮闘し、終盤まで攻守のバランスを崩すことなく接戦を演じた。

残り3分、エンビードはポストアップからファウルを誘い、ダニエル・タイスを退場に追い込むとともに、フリースローを2本とも決めて92-92の同点に追い付く。続くポゼッションではエネス・カンターを攻め、今度もフリースローで逆転に成功。チームで接戦を作り出し、あとはエースの力で勝ちをもぎ取る流れができつつあった。

しかし、ようやく迎えた勝負どころでシクサーズにはミスが出て、逆にセルティックスは完璧なプレーを遂行した。

残り2分を切ってのシクサーズの攻め。エンビードのポストアップに手を焼いていたセルティックスは、よりリングに遠い位置でエンビードにパスを受けさせ、ダブルチームでリムアタックを許さないだけでなく、苦し紛れのパスを狙った。身体を投げ出してスティールに成功したマーカス・スマートが、倒れながら味方にボールを送り速攻を演出。これがバスケット・カウントとなり逆転に成功。続くディフェンスでもエンビードにダブルチームを仕掛け、ジェイソン・テイタムがスティールから速攻に繋いでいる。

精神的にはセルティックスこそ厳しい状況にあった。長くリードを保っていた試合で逆転を許し、退場者も出て、さらにはオープンで打つシュートがリングに嫌われる。しかし彼らは劣勢でこそ気を引き締めて安易なミスを避け、自分たちにできるプレーを選択しては遂行していった。

シクサーズはその逆だ。エンビードが2つ目のターンオーバーをした時点でもビハインドはわずか1点。2点を取られても1ポゼッション差で相手にプレッシャーを掛けられる状況なのに、ジョシュ・リチャードソンは相手を後ろからつかんでクリアパスファウルをコールされ、点差を広げられるだけでなく終盤の貴重な1ポゼッションを明け渡してしまった。

その後も勝負をあきらめるには早すぎるのに攻守に集中を欠いてしまい、ズルズルと点差を広げられて94-102で敗戦。タフに戦うことで接戦に持ち込んだが、勝ち切るためにはそこから冷静に賢くプレーしなければならない。

30得点13リバウンドを記録するも勝利には届かず。エンビードは頭を抱えながらも「あきらめるわけにはいかない」と語る。

「ディフェンスは悪くなかったし、集中もできていたけど、決めるべきシュートを決められなかった。終盤にミスはあったけど、改善できるものだと思う。厳しい状況なのは確かだし、一生懸命やっているのに勝てないのはつらい。チームのみんなもこの状況で落ち込んでいる。だけど、あきらめたら終わりだ。みんなそれぞれ自分の仕事に集中し、もっと良いプレーをしないと。僕ももっとやらなきゃいけない」

「スウィープ(0勝4敗での敗退)なんて嫌だ。自分のキャリアにそんな結果を残したくない。0勝3敗だけど僕はあきらめない。あきらめたら終わりだ。勝つためにできることを必死になってやるつもりだ」

勝利まであと少しまで迫ったとも言えるが、そこから最終的に勝ちをもぎ取るまでの『あと少し』を埋めるためには相当な精神力やしたたかさが必要であることが明らかになった試合でもあった。エンビードが言う「必死になってやる」のは、プレーオフのレベルでは当たり前のことに過ぎない。チームとしての成熟度を中1日で高めるのは不可能に近いミッションにも思えるが、それをやり遂げない限り、シクサーズの今シーズンは間もなく終わることになる。

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