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ハーデン「力づくで押し通るようなことはしない」

ホームで1勝1敗としてソルトレイクシティに乗り込んだロケッツ。第3戦では西カンファレンス首位チームの成長と自信、オフェンスとディフェンスがすべて噛み合い、113-92で勝利した。

これまでのロケッツならば、得意の3ポイントシュート成功率次第という大味なバスケットボールに固執したかもしれない。しかし、今シーズンのロケッツには柔軟さが加わっている。リーグトップクラスの守備を誇るジャズが、ロケッツの3ポイントシュートを警戒してプレッシャーをかければ、ジェームズ・ハーデン、クリス・ポール、エリック・ゴードンはすかさずカットインして、ミドルレンジからのシュートとレイアップを仕掛けた。逆にペリメーターから締め出そうとすれば、待ってましたとばかりに3ポイントシュートの雨あられ。打つ手すべてがロケッツにとってプラスに働いてしまっては、ジャズに打つ手はない。1回戦でサンダーを苦しめたビビント・スマート・ホーム・アリーナのファンも、ロケッツの波状攻撃に沈黙するしかなかった。

第3戦でロケッツが記録したフィールドゴール成功率48.8%(86本中42本)、3ポイントシュート成功率30.6%(36本中11本)は、108-116で敗れた第2戦の数字(フィールドゴール95本中38本成功で成功率40%、3ポイントシュート37本中10本成功で成功率27%)を大きく上回っているわけではない。しかし、効率を重視し、相手の戦術に翻弄されなかったことで内容は大幅に改善された。しかも、それを敵地でやってのけたところにカンファレンス首位の実力が見て取れる。

オフェンスでは、ゴードンのシュートタッチが戻ってきているのもプラス材料だ。第1戦ではフィールドゴールを1本も決められなかったが、第3戦では得意の3ポイントシュートも8本中4本成功させ、25得点で勝利に貢献した。

同じく25得点をマークしたハーデンは、「力づくで押し通るようなことはしない」と、この日のプレーを語る。「彼らが何を仕掛けてきても受け止める。その上で自分たちの力を信じているし、自信を持ってシュートを決める」と、王者としての語り口で試合を振り返った。

守備でもジャズに何もさせなかったロケッツは、スーパールーキー級のパフォーマンスを続けているドノバン・ミッチェルを10得点に封じ込んだ。ミッチェルは「リズムに乗せてもらえなかった。こういうプレーをしていてはダメ」と、不甲斐ないプレーを悔やんだ。「今日は彼らが侵略者だった。相手はこれからもアグレッシブに攻めてくる。しっかり対抗しないといけない」

ホームで1敗を喫した時点では、指揮官マイク・ダントーニがプレーオフで勝てないジンクスの再燃かと思われたが、第3戦の勝利が今シリーズ全体の流れに与えた影響は少なくない。ジャズが第4戦に勝って再び対戦成績をイーブンに持ち込むには、完璧な守備と、少しの運が必要になるかもしれない。