髙田真希

ブランクを感じさせない白熱した試合展開に

『BASKETBALL ACTION2020 SHOWCASE』の『5人制女子代表Showcase
by三井不動産』では、エキシビジョンとは思えないハイレベルな試合が展開された。

出場メンバーは以下の通り。

Team Action
総監督 トム・ホーバス(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ 知花武彦(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
アシスタントコーチ 藪内夏美(公益財団法人日本バスケットボール協会)

髙田真希(C/デンソー アイリス)
谷村里佳(PF/日立ハイテク クーガーズ)
町田瑠唯(PG/富士通レッドウェーブ)
本川紗奈生(SG/デンソーアイリス)
佐藤奈々美(SG/日立ハイテク クーガーズ)
中田珠未(PF/ENEOSサンフラワーズ)
根本葉瑠乃(SG/三菱電機コアラーズ)
渡邉亜弥(PG/三菱電機コアラーズ)

Team Power
総監督 トム・ホーバス(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ 恩塚亨(東京医療保健大学)

渡嘉敷来夢(PF/ENEOSサンフラワーズ)
本橋菜子(PG/東京羽田ヴィッキーズ)
加藤優希(SF/トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
林咲希(SG/ENEOSサンフラワーズ)
北村悠貴(SG/日立ハイテククーガーズ)
赤穂ひまわり(SG/デンソーアイリス)
オコエ桃仁花(PF/富士通レッドウェーブ)

試合開始直後、Team Powerは渡嘉敷のゴール下で先制する。佐藤に3ポイントシュートを決められ逆転されたが、オコエがピック&ポップから3ポイントシュートを沈め、林も得意の3ポイントシュートで続き、Team Powerが徐々にリードを広げていった。そして、得点後のインバウンドパスをスティールした本橋が自ら3ポイントシュートを沈め、開始4分で10点のリードを奪った。

だが、Team Actionは慌てなかった。髙田が3ポイントシュートを返し点差を1桁に戻すと、根本が連続で3ポイントシュートを沈めて追撃。絶好調の根本が第1クォーター終了間際にも3ポイントシュートを成功させ、32-29と試合をひっくり返した。

第2クォーターに入ると、ディフェンスのインテンシティが一気に上がったが、オフェンスがそれを上回った。ホーバスの指導の下、ガードからセンターまで誰もが3ポイントシュートを打てるようになり、互いに高確率で3ポイントシュートを決めていく。トランジションからの速攻やドライブなど、各選手が自分の持ち味を遺憾なく発揮し、一進一退の攻防が続いた。

勝負を決めたのは本橋だった。本橋は渡嘉敷のスクリーンでわずかに空いたスペースから3ポイントシュートをねじ込むと、直後のディフェンスで狙いすましたパスカットからワンマン速攻を決めた。本橋の5連続得点により、残り54秒で5点のリードを得たTeam Powerは直後のディフェンスを守り切り、渡嘉敷のレイアップでリードを広げ56-49で前半を終えた。このスコアが『5人制男子代表
Showcase by SoftBank』に持ち越される。

渡嘉敷来夢

渡嘉敷来夢 「120%でバスケットができる状態」

女子日本代表のキャプテンを務める髙田は「久しぶりの代表としての試合でしたけど、内容的にも女子らしいバスケットができたと思います」と、白熱した試合を披露でき笑顔を見せた。

今回のイベントは無観客での開催となったが、オンラインでファンが観戦する映像が流れていた。髙田は「試合中ではありましたが、大きなスクリーンで応援してくださる顔が目に入りました。無観客ではありましたが、本来の試合に近い雰囲気を味わうことができた」とアフターコロナの試合スタイルに手ごたえを得たようだ。

文字通り、カテゴリーの垣根を超えた『日本一丸』のイベントとなったが、髙田は日常を取り戻した後もこうした活動を続けたいと願った。「私たちも含めてバスケット日本一丸でお互いが切磋琢磨したり、モチベーションを高め合いながらやっていきたい。できることなら次はお客さんを入れた中で、車いす、3人制、5人制のイベントをしたい」

渡嘉敷も髙田と同様に試合内容に満足したようだ。「久しぶりの代表でのゲームだったけど、女子の良いところがたくさん出たゲームになったと思います。自分自身はとても楽しむことができたし、たくさんの方がzoom超しで見ていただいていたので、楽しんでいただけたのなら良かったと思います」

渡嘉敷は3ポイントシュートにドライブと軽快なプレーを見せた。所属するENEOSサンフラワーズでは5月から練習をスタートさせ、6月中旬からチーム練習も始まったこともあり、「いつでも120%でバスケットができる状態ではあります」と、コンディションは万全のようだ。

各クラブは徹底した感染対策を行っているが、トヨタアンテロープス所属のチーム関係者1名に新型コロナウイルス感染症の疑いがあることが判明し、スタッフを含めた7人が当日に出場を辞退することとなった。渡嘉敷も「不安はゼロではない」と言うが、ファンに元気な姿を見せることを一番に考えている。

「手洗いうがいをしっかりして、自分も行動を自粛しているので、それでかかってしまったら多少あきらめはつくというか。不安要素はたくさんあるけど、今も消毒などをしっかりして、元気な姿でまた皆さんの前でプレーできるように頑張りたい」