文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

チームオフェンスの要である司令塔の不在をどう補うか

下馬評を覆し西カンファレンス1回戦でサンダーを撃破したジャズ。準決勝ではカンファレンス首位のロケッツと対戦するが、シリーズ初戦を前日に控え、ショックな報せが飛び込んできた。先発ポイントガードのリッキー・ルビオが、左ハムストリングの負傷により数週間離脱する見込みだと『Salt Lake Tribune』が伝えたのだ。

ルビオは、サンダーとの第6戦の第1クォーターに足を引きずる仕種を見せてベンチに交代し、わずか7分の出場に終わった。司令塔を失ったジャズは、その後ジョー・イングルズが主にオフェンスの舵取りを担って勝利を収めたものの、ロケッツ戦では大きな弱点になりかねない。

ルビオは今年のプレーオフ中にチーム最多となる7.0アシストを記録。アシスト以外にも平均14.0得点、7.3リバウンドと好調で、サンダーとの第3戦では26得点11リバウンド10アシストのトリプル・ダブルで勝利に貢献した。復帰時期は未定で、最大で数週間の離脱になる可能性もあると見られている。

ポイントガードの層が薄いのは以前から分かっていたとはいえ、ルビオが出られない以上、ダンテ・エクサム、ハウル・ネト、デイビッド・ストックトンの3人で回さなければならない。カンファレンス準決勝で対戦するロケッツは、リーグ屈指のバックコートデュオ、ジェームズ・ハーデンとクリス・ポールを擁する。ハーデンとポールはボールを奪い取る技術にも優れ、今シーズンはハーデンが平均1.8スティール、ポールも平均1.7スティールを記録するなど、西カンファレンスのガードの中でトップクラスの数字を残している。エクサムやイングルズが不用意なターンオーバーを続ければ、それだけでシリーズの流れが決まってしまう可能性も考えられる。

今シーズン最大のチャレンジを前に出鼻を挫かれたジャズがどう修正するのか、それとも奇策を講じるのか。すべては指揮官クイン・スナイダーの手腕にかかっている。