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『あと1本』が決められずジャズに敗れ、シーズン終了

サンダーは2勝3敗で迎えたジャズとの第6戦を落とし、プレーオフ1回戦敗退が決まった。

ラッセル・ウェストブルックがこの試合で46得点目となる3ポイントシュートを決めた第4クォーター残り1分30秒の時点で、91-92と1点差。劣勢を覆すべく3ポイントシュートの乱れ打ちとなり、決して良い形のシュートばかりではなかったが7本目の3ポイントシュートを沈めていた。逆転できれば流れはサンダーに傾き、ホームでの『Game7』を迎えられるはずだった。

しかし、ここからウェストブルックが3本、ポール・ジョージが4本放ったシュートが1本も決まらない。ジョージはこの試合でフィールドゴール16本中2本成功の5得点と絶不調で、自信を喪失した中でクラッチシュートを決められるはずもなかった。ウェストブルックもその前に3ポイントシュートがリングに届かずエアボールになっており、体力の限界を気力で乗り越えようとしている状態。問題は、サンダーに他の解決策がなかったことだ。オフェンスリバウンドを取るガッツはあったが、肝心の得点を奪うことができなかった。

シュートを狙うジョージのポンプフェイク、これに完全に引っかかったルディ・ゴベアがファウルを犯していたように見えたシーンもあったが、コールされず。これを不運と呼ぶべきかどうかは分からない。いずれにしてもサンダーは4敗目を喫し、シーズンが終了した。

チームを引っ張ってきたウェストブルックにとっては痛恨の早期敗退。コートを去る際にはジャズファンに何かを言われて激高しており、痛恨の敗戦は後味の悪いものにもなった。この件について質問されたウェストブルックは「俺じゃなくファンがやったこと。特に、ここユタでは尊敬を欠くようなことをいつも言われる。こういうことは止めてもらわないと」と答えている。

そのサンダーは来シーズンに向け、ウェストブルック、ジョージ、カーメロ・アンソニーの『OK3』が解体されることになりそうだ。

まずカーメロは持ち味であるオフェンスでプレーオフ11.8得点と不発。こうなると守備の難ばかりが目につく。そしてカーメロ自身もサンダーでの扱いに納得していない。「これまで自分がすべてを投げ打って尽くしてきたことは誰もが知っているはず」と語る彼は、エースとして活躍できる環境を求めている。ウェストブルックがいるサンダーで、それはあり得ない。また、彼自身が周囲を納得させられるだけの結果を残せていないのも事実だ。彼の求める環境がどこで得られるのかは分からないが、サンダーに残留する可能性は低いと言わざるを得ない。

そしてポール・ジョージもサンダーで2年目の開幕を迎えるかどうかは微妙なところ。ジョージは今夏のフリーエージェント選手の目玉の一人。敗退が決まった後の取材対応では「ファンも街も球団も素晴らしい」とサンダーへの感謝を語ったが、28歳で得たフリーエージェントの権利を最大限に活用するのは間違いない。去就については「サンダーに残りたいと感じるけど、フリーエージェントは夏のこと。夏になったら考える」とコメント。サンダーへの愛着とリスペクトがあっても、地元のレイカーズが契約を打診してきた時、彼は「NO」と言うだろうか。

昨夏、マーケットの大混乱の最中にサンダーに誕生した『OK3』はおそらくもう見納め。今シーズンのサンダーはパッションに満ちたチームだったが、結果は残せなかった。