文=丸山素行 写真=B.LEAGUE
外国籍選手に頼らないスモールラインナップが功を奏す
川崎ブレイブサンダースvs京都ハンナリーズゲーム2。最後まで拮抗した展開が続いたが、外国籍選手が2人欠場する不利を覆せず京都が73-77で敗れた。
川崎は昨日の試合で負傷した篠山竜青がベンチを外れ、京都は昨日に引き続きジュリアン・マブンガが欠場。さらに京都はマーカス・ダブが欠場となり、外国籍選手はジョシュア・スミスのみという苦しい布陣になった。
序盤は互いにシュートが決まらない時間が続く。それでもジョシュ・デービスが高速ドライブから10得点を挙げ、2アシストを記録するなどオフェンスを牽引し、オン・ザ・コート数「2」の利点を生かした川崎が22-13と先行した。
第2クォーターに入ると、オン・ザ・コート数が入れ替わるが、京都はオン・ザ・コート「0」でスタートすることになり、不利を覆せない。4分が経過し長谷川技に3ポイントシュートを沈められ、15点のビハインドを背負った。
だが「シュートは打てたんですけど、それが入らないという状況が続いて悪い流れになった」と北卓也ヘッドコーチが試合後語ったように、川崎は得点が止まる。すると対照的に『粘りの京都』が本領を発揮する。スミスがこのクォーターで8得点を挙げ反撃ムードを作ると、晴山ケビンの3ポイントシュートで締めて点差を縮めた。
ファウルトラブルのスミス、ほほフル出場の永吉に限界
後半に入り、京都は約5分間オン・ザ・コート「0」の状態で戦うことになった。だが浜口炎ヘッドコーチが「サイズが低くなるけど、その分アクティブによく動きますし、小さい分ボールも動いたので良いオフェンスが生まれた」と話したように、スモールラインナップが機能した。
特に伊藤達哉は攻守にアグレッシブに動き、2本の3ポイントシュートを含む11得点を挙げた。そして、連携からノーマークを作り永吉佑也が確実にミドルシュートを沈めていき、55-55の同点に追いついた。そして最終クォーター、スミスがパワープレーから連続得点を挙げ、京都がこの日最大となる6点のリードを奪いオフィシャルタイムアウトを迎えた。
だが、スターターに戻した川崎がここから牙をむく。長谷川とニック・ファジーカスの3ポイントシュートで追い上げ、残り4分を切った場面で辻直人がワンマン速攻を決めて67-67と試合を振り出しに戻す。こうなると京都は苦しい。ファウルトラブルのスミス、ここまでほぼフル出場の永吉がデービスとファジーカスとのマッチアップで支え切れなくなった。
デービスのスティールから藤井の速攻につなげられ、デービスとファジーカスの2人にオフェンスリバウンドから得点を奪われた。残り1分を切って4点差とされると、タイムアウトを取るも打つ手がなく、そのまま試合終了となった。
「どうしても止められないファストブレイクが出た」
勝利した北ヘッドコーチは「京都さんの戦術が素晴らしくて、スモールラインナップにてこずりました」と苦戦を強いられた相手を称賛した。それでも「後半に入ってエナジーを出しなさいというのと、テンポを上げなさいという話をしたところ、シュートがうまいこと入って、ダブルチームのディフェンスが最後に効いて逆転できた」と勝因を語った。
一方、悪条件の中で奮闘した京都の浜口炎ヘッドコーチは「サイズが小さくなってしまったことを考えたら、その分みんなファイトしながらボールに飛びついたと思います。昨日に比べて良いファイトでした。リバウンド面も改善できたゲームでした」と総括した。
だが勝ち切れなかった部分では、イージーな速攻を許したことを悔やんだ。「イージーなファストブレイクを止めたかった。ウチがプレッシャーをかけられて、ターンオーバーが10いくつ出てしまい、どうしても止められないファストブレイクが出てしまった。ちょっともったいなかった」と速攻では4-15と大きく水をあけられた。
結果的に川崎に連敗を喫した京都。それでもマブンガとダブの2人を欠く中でここまで拮抗した試合を演じたことはチャンピオンシップへ向け自信につながったはずだ。
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