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「それはジミーの仕事ではない」と責任を負わせず

実に14年ぶりのプレーオフに進出したティンバーウルブズ。トム・シボドー体制になって2年目のチームを大きく変えたのは、指揮官がブルズのヘッドコーチ時代から手塩にかけて育てたジミー・バトラーの存在だ。バトラーはカール・アンソニー・タウンズやアンドリュー・ウィギンズの若手をまとめ、『シボドー・イズム』を注入するリーダーとしての役割も担った。

残念ながらプレーオフ1回戦でロケッツに敗れはしたものの、ウルブズの再建は大きく進んだ。仮に今のままのメンバーで来シーズン開幕を迎えても、おそらくプレーオフ争いには加われるだろう。だが、程度の差こそあれ、毎年ロスターに手を加えるのがNBAの常だ。当然ウルブズも夏にフリーエージェントの権利を取得するベテランの獲得に乗り出すはず。そこで球団が、バトラーに選手勧誘でも協力を要請する可能性はある。

実際、チームオーナーのグレン・テイラーも、『WCCC radio』とのインタビューで、実力者の獲得はバトラーの勧誘にかかっていると発言したのだが、代理人のバーニー・リーは、選手とフロントの役割を明確に線引きするようクギを刺した。

リーは「それはジミーの仕事ではない」と主張。また、「ジミーが責任を負うべきは、可能な限りベストなプレーヤーになるために努力することだ。そして、ウルブズが1試合でも多く勝てるように力を尽くすことに対してだ」と力説する。

今シーズンのバトラーは、ウルブズのために全身全霊を尽くした。2月下旬に右ひざ半月板を損傷し、手術を経て4月上旬に復帰。復帰を急いだ代償は少なくなく、ロケッツとのシリーズ敗退が決まった第5戦では、ひざの痛みで第4クォーターをベンチで見ていなければならないほどだった。

それに、バトラーが交渉に乗り出さなくても、今のウルブズであれば実力者も移籍先として考えるだろう。

ウルブズにとっての来シーズンはすでに始まっている。選手が身体を休め、新シーズンに向けてトレーニングを始める今年の夏、チームのスタイルに適するフリーエージェント選手を見つけてロスターを強化できるかどうかは、フロントにかかっている。