キャプテン湊谷の戦線復帰で奮起した横浜だが……
横浜ビー・コルセアーズvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの金曜ナイトゲーム。開幕から4試合目に右足アキレス腱断裂の重傷を負った湊谷安玲久司朱の復帰で意気上がる横浜だったが、決定力不足を露呈し71-77で敗れた。
横浜はジェフリー・パーマーが右足首捻挫のためベンチを外れ、苦しい布陣となった。対する名古屋Dはスクリーンプレーからジャスティン・バーレルがノーマークでダンクを決め先制すると、内外パスが良く回り、ズレを作ってはノーマークのシュートチャンスを次々と作り出す。安藤周人が2本、笹山貴哉が1本の3ポイントシュートを沈め、開始7分で15-6と先行した。
横浜もターンオーバーから速攻につなげるなど、積極的に仕掛けた満田丈太郎が9得点を挙げ17-21と点差を縮めて第1クォーターを終えた。それでも第2クォーターをターンオーバーでスタートしたように、このクォーターだけで6つのターンオーバーを犯し、そこから失点を重ね最大9点のビハインドを背負った。
しかし残り2分55秒、昨年10月9日以来の復帰となった湊谷がコートに入ると流れは横浜に傾く。大歓声の中でコートに送り出された湊谷は川村卓也のミドルシュート、細谷将司の3ポイントシュートを連続でアシスト。劣勢のチームを奮い立たせ、4点差まで詰めて前半を終えた。
終盤にミスからの自滅で失速、クロスゲームを落とす
後半に入っても湊谷が作り上げた流れは覆らない。横浜はアグレッシブなディフェンスで名古屋Dのパスワークを封じ、このクォーターだけで5つのターンオーバーを誘発。さらにハシーム・サビート・マンカの高さの前に名古屋Dはシュートをためらうようになり得点が止まった。わずかな差ではあれ追いかける展開が続くが、残り58秒に田渡凌が速攻を決め、52-51と逆転。
横浜が2点をリードして迎えた最終クォーター。同点になること4回、リードチェンジ4回と文字通り一進一退の攻防が終盤まで続いた。だが接戦で勝ち切れないことが多く、名古屋Dに1点差での負けが2回、2点差での負けが1回と相性の悪い横浜は、終盤の大事な場面で失速する。
残り1分6秒、ジャスティン・バーレルに簡単にゴール下を破られ勝ち越されると、直後のリスタートの場面で、サビートがまさかのパスミスを犯しポゼッションを失い、バーレルにミドルシュートを沈められ差は3点に。横浜はタイムアウトを取ってオフェンスをデザインするも、サビートがボールを失い、またしてもバーレルに得点を許した。勝負どころの1分強で2つのターンオーバーとミスが続き、バーレルに8連続得点を許した横浜がクロスゲームを落とした。
梶山ヘッドコーチ「僕たちのやろうとしてることができた」
横浜の粘りに苦しめられながらも崩れることなく勝利をもぎ取った名古屋D。今日の第2戦に勝ち、新潟アルビレックスBBが三遠ネオフェニックスに敗れれば、中地区2位でのチャンピオンシップ進出が確定する。梶山信吾ヘッドコーチは「1試合を通してゲーム内容はそんなに悪くなかった。僕たちのやろうとしてることはできていました」と総括した。シュートは決まらなかったものの、リングへのアタックからズレを作り、オフェンス優位な状況を確かに作り出していた。
「ただディフェンスのところで、リバウンドを取られてしまったり、もう少しフィジカルにやらないといけないところで、できていなかった。少しのディフェンスのミスだったりがこういう試合になってしまった」と接戦に持ち込まれた原因を語った。
10月9日以来の復帰を果たした湊谷だったが、復帰戦を勝利で飾ることはできず。「ウチの永遠の課題なんですけど、ディフェンスだったりリバウンドの決定力、これが最後の1分半で切れてしまった」と終盤の失速を嘆いた。
サビートのプレータイムが両チーム最長の33分となり、終盤に集中力が落ちたことを考えれば、パーマー不在の影響も少なからず響いた。この一敗で横浜は残留プレーオフへ回ることが決定。それでもキャプテンの湊谷が復帰し、パーマーも軽傷ということを考えれば、今後につながる1戦にはなった。