晴山ケビン

谷口光貴と晴山ケビン、野本建吾は2014-15シーズン途中にアーリーエントリーで東芝ブレイブサンダースに加入した同期だ。2017年オフから晴山、野本、谷口とチームを次々に離れ、それぞれ別の場所でプレーしたが、谷口と晴山は今シーズンから滋賀レイクスターズで再び一緒に戦うことになった。川崎ではともに寮生活を送り、オンコートでもオフコートでも仲が良いという2人は、取材での掛け合いも息が合っている。ともに27歳で選手キャリアの一番良い時期をこれから迎える2人は、新たなチームに生まれ変わった滋賀を引っ張る存在になりそうだ。

人見知りの谷口、気兼ねなくグイグイ行く晴山

──かつての東芝、現在の川崎ブレイブサンダースに同期入団した2人が滋賀で再会することになりましたね。

谷口 ケビンは川崎に入って寮生活を一緒に過ごしたこともあって、かなり仲が良かったんです。今回のことで相談はあったんですけど、滋賀を選んでくれてうれしかったです。

晴山 そうなんだ。僕は普通でした(笑)。

谷口 おい!(笑)

晴山 でも、新しいチームに一緒にやったことがある選手がいると行きやすいですね。しかもオンコートでもオフコートでも仲良くやっていた同期の存在は大きいです。

谷口 去年、僕が滋賀に来た時には知っている人が誰もいなかったので、最初は不安がありました。1人でもいれば全然違いますよね。ケビンからはもともと「滋賀ってどういうチームなの?」と聞かれていたんです。でも、実際に滋賀に決めたと聞いたのは正式発表の直前に電話をもらって知りました。

──しっかり相談していたのかと思いきや、決断そのものは晴山選手が一人で下したんですね。

晴山 別に最後まで言わなくてもいいかなと思っていたんですよ(笑)。プロの世界って噂ばかりが多くて、「行く」と言ってても実際は決まらない場合もありますし、リリースが出るまでは本当にどうなるか分からないので。それだったらリリースで知ってもらうのが一番しっくり来ると思ったんですけど、仕方ないので言いました。

谷口 仕方ないってどういうこと?(笑)

──同期だからこその仲の良さですね。お互いから見てどんな印象なのか、まずは晴山選手から見た谷口選手を教えてください。

晴山 これから言うことはすべて良い意味でとらえてくださいね。

谷口 絶対に良いこと言わないヤツでしょ(笑)。

晴山 いや、すべてはとらえ方だから(笑)。僕は良い意味でとらえてるんですよ。まず人見知りで、気が合う人にしか話し掛けない。バスケットはちょっと真面目。ウエイトも最近になってかなりやっていて、川崎の頃よりやっていますね。子供好きだけど魚が友達。これが谷口光貴です。

谷口 ケビンはめちゃくちゃしゃべるのでうるさい。誰とでも仲良くなれるし、年上にも気兼ねなくグイグイ行くタイプですね。あとはちゃんとパパしてる。

晴山 谷口と真逆ですね。

晴山ケビン

晴山「ギュンギュン系の外国籍選手を守りたい」

──オフコートの話が先に出てくるのは意外でした(笑)。ではオンコートではいかがですか?

晴山 谷口はランニングプレーが力強くて、ディフェンスの一歩目が早いです。チェックに行く時のハーキーが速い。外のシュートが固い、思い切りの良いレイアップは見ていて気持ち良い、ですね。

谷口 マニアック(笑)。ケビンはキャッチ&シュートが上手くてオフボールの動きが上手くなってきた印象です。あとはリバウンドが強い。コンタクトで負けず、むしろ押し返すぐらいの強さがあります。その強さがありながら動けるところですね。

晴山 おお、思ったより的確でちょっと照れちゃった(笑)。

──谷口選手は今オフにかなりフィジカルを強化しているようですね。トレーニングは順調ですか?

谷口 そうですね。僕たちはコロナの合間から他の選手と時間が重ならないよう配慮して体育館が使えていたので、全く練習できなかった他のチームと比べるとしっかり取り組めていると思います。パフォーマンススーパーバイザーの中山佑介さんに指導してもらっているのが大きくて、僕は去年滋賀に来た時に股関節のケガもあってリハビリがメインだったんですけど、今年は状態が良いのでトレーニングにフォーカスできています。

晴山 ウエイトをやっているので、やっぱり身体がデカくなりましたね。あとちょっと顔が長くなって大智(兄)寄りになった(笑)。

谷口 誰が大智や、やめろ(笑)。でも、めっちゃ似てきたと言われるんですよね。ケビンは雰囲気は全然変わっていないのですが、後輩への指導を結構やるようになっている感じです。前はそもそも僕たちより年下の選手がいなかったからね。

晴山 一緒にプレーするのは3シーズンぶりだからね。すごいよ。

谷口 逆に、いろいろやらなくなりましたね。シュートに絞っている印象は持ちました。

──晴山選手は滋賀に加わって、「こんなプレーを見せたい」という思いはありますか。2年目の谷口選手はどうでしょうか。

晴山 基本的には今までやってきたことは変えず、そこにショーン(デニス)さんが求めていることをプラスして、チームの勝利に貢献できればいいと思っています。変に自分が引っ張ろうとかリーダーシップを発揮しようじゃなくて、プレーでみんなに認めてもらいたいです。もちろんシュートに自信はあるし、それに加えて僕の武器である1番から3番につけるディフェンスを見せたいですね。今シーズンから外国籍選手の起用ルールが変わり、アジア枠もできたので、ギュンギュン系の外国籍選手が増えると思うんです。そういった選手を日本人でも守れるんだよ、というところをバシッと見せ付けたいですね。

谷口 昨シーズンはいろいろ考えすぎてプレーに迷いが出たので、どうやってシュートに持っていくのかにこだわったり、自分の得意なところに絞りたいと思います。そうやって自分の色を出していきたいと思っています。

谷口光貴

谷口「昨シーズンを上回る力がこのチームにはある」

──外国籍選手の発表が遅れましたが、滋賀もガードの選手(ジョナサン・オクテウス)を獲得しています。今シーズンの滋賀はスモールバスケットで行くのかと予想しているんですが、そのあたりはいかがですか?

晴山 スモールラインナップで行くとはっきり言われたわけではないですけど、機動力があってトランジションで戦うチームを目指しているので、サイズが下がる可能性があるのかなと自分なりには考えています。

──その中で、2人はプレータイムを争うライバルになりますか?

晴山 どうでしょうね。もちろんチームメートは全員ライバルですけど、滋賀はガード、ウイング、センターという感じの分け方なんですよ。そう考えればウイングは2人いるので、一緒に出ればいいと勝手に思っています。

谷口 プレータイムを争う面もあるとは思いますが、そもそも自分たち2人はプレースタイルや持ち味が全然違います。そこはショーンヘッドコーチが相手を見ながら使い分けていくことを考えてくれるので、あまり気にはしていないですね。

──長いオフの間、滋賀は主力選手が続々と移籍を決めてブースターは不安だったと思います。そこで狩俣昌也選手が「滋賀の皆さん俺います」とtwitterに投稿して安心させました。2人からも滋賀のファンへのメッセージをお願いします。

晴山 選手もファンもフロントも、どんな1年になるか分からないシーズンになります。それでも僕たちは試合の日程が出た以上はそれに向けて準備をしますし、キツい練習を乗り越えていきます。もしかするとファンの皆さんも今までみたいに試合会場で応援するのは難しくなるかもしれませんが、リモートとかそういう形でも応援してもらえれば、選手には何かしらの形で届くと思います。だから是非、滋賀レイクスターズを勇気づけてください。

谷口 昨シーズンの主力メンバーが抜けたことで、ファンの皆さんは率直にショックだったし不安もあったと思います。でも僕からするとこれはチャンスだし、出て行ったメンバーの不在を忘れさせるぐらいの活躍をするつもりでいます。チームとしても昨シーズンより良い成績を残したいし、それをやれる力がこのチームにはあると思っています。僕たちはそこを目指して取り組んでいきますので、後押ししてもらえたらうれしいです。個人的にも今シーズンは勝負の年なので、全力でやります。

晴山 今の段階では他のチームから「今シーズンの滋賀はちょっとな」とか過小評価されていると思います。実際にそう言われることもあります。でも、それを見返してやるつもりなので、日本一になるぐらいのインパクトを関西から出していきます。