レブロン・ジェームズ

「僕にブーイングするファンでさえ、いないのは寂しい」

レイカーズはペイサーズに敗れ、これで『バブル』での成績を2勝4敗とした。クリッパーズに競り勝った初戦は流石のパフォーマンスだったが、その後はどこか低調。それでも西カンファレンス首位は確定しており、プレーオフへの調整と考えているようだ。『負け癖』が付いてしまっては問題だが、フィールドゴール14本中成功わずか3本に終わったアンソニー・デイビスも「今日はシュートが入らない日」と割り切っている。

31得点8リバウンド7アシストを記録したレブロン・ジェームズも、敗戦についてはあまり多くを語らなかった。この日の彼が触れたのは、ファン不在の環境でプレーすることへの率直な気持ちだ。もともと、新型コロナウイルスの感染拡大で無観客試合の実施が検討されていた時、「それではプレーする意味がない」とNOを表明した最初の一人がレブロンだった。その後、『バブル』で試合を行う意味を理解して発言を撤回したが、ファンのいないアリーナでプレーすることへの違和感はぬぐえないようだ。

「この環境でプレーすることに慣れてきている自分がいる。奇妙な感覚だ。誰もいない会場でプレーするなんてすごくすごく久しぶりで、そこでプレーするためのリズムをつかむことを目標にしている」

「でも、僕はファンの前でプレーすることが好きだし、ファンがいなかったら今の自分はなかったと思う」とレブロンは続ける。

「僕のプレーを見に来てくれる人たちがいなくて寂しいよ。いつかこのパンデミックを乗り越えて、すべての安全を確約した上でアメリカのいろんなアリーナやスタジアムにファンが戻ってきてほしい。ファンはスポーツにとってそれだけ巨大なものだ」

感染症を食い止めるための隔離エリアである『バブル』はここまで完璧に機能し、新型コロナウイルスはその内部に入り込めずにいる。この環境を準備した人たちへの敬意を持ちつつ、それでもなおレブロンはファンの前でプレーしたい気持ちを熱く語る。

「ゲームを愛する限り、観客席に誰がいようが関係ないよ。何が起きているかは気にしない。コートに足を踏み入れた瞬間から、そこは聖域になる。ティップオフの瞬間に、ゲームに没頭することができる。でも、感情としてはやっぱり間違いなくステイプルズ・センターにいるファンがいないことが寂しいんだ。僕にブーイングするファンでさえ、いないと寂しいものだよ」