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レブロンは第3クォーターの拙攻を悔やむ

キャバリアーズとペイサーズによる東カンファレンス1回戦は、場所をインディアナポリスへと移して第3戦が行われた。結果はペイサーズが17点差を跳ね返して92-90で逆転勝利。対戦成績を2勝1敗とし、シリーズをリードしている。

誤解を恐れずに言えば、ペイサーズが逆転勝利を収めたのではなく、キャブズの自滅。前半を終えてキャブズが57-40でリードしていた展開を考えれば、そう簡単に敗れることはなかったはずだ。ましてキャブズは、今年のプレーオフ初のロードゲームということもあり、レブロン・ジェームズが特別オーダーしたThom Browneデザインのグレースーツに身を包んで会場入りするほどの気合の入れようだった。

しかし、勝敗を分けた第3クォーター、そのレブロンはレイアップを1本のみ決めただけで、あとはことごとくシュートを外し続けた。レブロンも試合後の会見で、第3クォーターの攻防が敗因だったと認めている。

「今日は試合を通じてターンオーバーを6回も記録したし、第3クォーターにはシュートを決められなかった。もっと良いプレーができていたら、リードを失うこともなかった」というコメントが、第3戦のポイントを集約している。

もちろん、ペイサーズの攻撃陣、特にプレーオフでのキャリアハイとなる30得点を記録したボーヤン・ボグダノビッチの活躍なくして逆転勝ちはあり得なかった。ボグダノビッチは、プレーオフでの球団記録に並ぶ7本の3ポイントシュートを成功させただけでなく、試合の大部分でレブロンをカバーするなど守備でも貢献した。

1回戦から大苦戦しているキャブズ最大の問題はオフェンスにある。シリーズ3試合すべてで失点を97点未満に抑えていても、攻撃力が低調では勝てない。第3戦でもレブロンは28得点12リバウンド8アシストでチームを引っ張ったが、周囲のサポートが足りていないのは明らかで、攻守両面での負担が大き過ぎる。それでもレブロンは、会見でチームメートに対する不満を一切言わなかった。

「自分も含め、もっと良いプレーをしないといけない。チームとしてもっとやらないといけない。まだ勝つチャンスはある」

キャブズは、レブロンが地元に戻った2014年以降、プレーオフ1回戦を3年続けて無敗で突破してきた。もっと言えば、『レブロン時代』の1回戦敗退は経験がない。もし第4戦に敗れれば、ペイサーズに王手をかけられてしまう。3年連続カンファレンス王者に君臨してきたキャブズが、早くも正念場を迎えた。