ルディ・ゴベア

不和解消をアピール「僕らはお互いをより高めようとし続ける」

3月、NBAがシーズン中断を決断したのは、ジャズのルディ・ゴベアに新型コロナウイルス感染が確認されたからだった。7月30日、シーズン再開初戦はジャズとペリカンズの対戦で、最初の得点を挙げたのはゴベアだった。最後に勝負を決める得点もゴベアによるもの。久々の試合を勝利で飾ったゴベアは「人生ってのは不思議なものだね」と話した。

ほとんどの時間帯で試合の主導権を握ったのはペリカンズだった。ロンゾ・ボールが速い展開を作り出し、ザイオン・ウイリアムソンが驚異的なパワーを、ブランドン・イングラムが卓越したシュート力を見せる。後手に回ったジャズは前半を終えて48-60とビハインドを背負った。

劣勢を跳ね返すきっかけを作ったのはジョーダン・クラークソンだ。相手ディフェンスがドノバン・ミッチェルを徹底マークする中で、その隙を突くように伸びのあるドライブを仕掛けてはシュートを決めていく。ペリカンズはザイオンが『バブル』を一度離れて準備が万全ではなく、プレータイムを15分と制限したことでジャズに付け入る隙を与えてしまった。

最終クォーター残り4分でジャズが逆転に成功したあとは、拮抗した試合展開に。ここから勝負を決めたのは、ミッチェルとゴベアだった。

残り32秒で同点という状況、マイク・コンリーが攻めきれずにシュートを落とすが、ボールを拾ってミッチェルへと繋ぐ。ドリュー・ホリデーの激しいマークに苦しんでいたミッチェルだったが、この場面ではクロスオーバーからのアタックでホリデーのバランスを崩し、フリーになったゴベアにボールを託した。ゴベアが狙ったダンクはデリック・フェイバーズに阻まれたものの、これでフリースローを獲得。ゴベアは決して得意ではないフリースローを2本とも決め、これで106-104と抜け出したジャズが勝利を収めた。

3月、ゴベアが新型コロナウイルスに感染した後、ミッチェルもまた感染した。これで2人の関係は悪化したと噂されたが、勝負のポゼッションを任されたミッチェルは、最後のチャンスをゴベアに託し、そのプレーが逆転勝利を呼び込んだ。

「ドノバンは正しいプレーをしようとして、実際にそうしたんだ」とゴベアは最後のプレーを振り返る。「僕らのチームをバラバラにしようと発言する人がたくさんいたけど、もう言えない。さっきも言ったように、人生は不思議な感じで回っていくんだ」

新型コロナウイルスにより分断されそうだったジャズ、ミッチェルとゴベアの関係は、コート上のプレーによって繋ぎ留められた。ヘッドコーチのクイン・スナイダーは言う。「我々はすべての経験をプラスに変えるために話をし、前に進んできた。2人はこの3年間、一緒にプレーする中で何百回とこういうプレーをしてきたんだ。コート上で繋がっている姿を見るのは素晴らしいことだよ」

ゴベアは言う。「どのチームにもアップダウンはあるものさ。でも、大事なのはそれにどう対応するか。僕らはお互いをより高めようとし続ける。それがチームにとって必要なことだからね」