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29歳で優勝リングを求めたカスピに、非情の解雇通告

すでに西カンファレンス2位を確定させている王者ウォリアーズが非情な決断を下した。4月7日にホームで行なわれたペリカンズ戦に120-126で敗れた後、チームはオムリ・カスピの解雇を発表した。

カスピはシュート力に定評のある選手で、セカンドユニットをアップグレードさせるため昨夏に加入した選手だ。今シーズンは53試合に出場し、平均5.7得点、3.8リバウンド、フィールドゴール成功率58%、3ポイントシュート成功率も45.5%というスタッツを残していたが、王者ウォリアーズには背に腹をかえられぬ事情があった。

エースのステフィン・カリーが左ひざを負傷しプレーオフ1回戦に間に合わない可能性が高いことが判明し、その代役となるガードとしてクイン・クックと契約を結ぶ必要に迫られた。そこでロスター枠を確保するため、スモールフォワードのカスピを犠牲にせざるを得なかった。

クックはカリー不在の間スターターに抜擢され、ここ13試合で平均17.7得点を記録している。今シーズンは2ウェイ契約選手だったため、クックをロスターに登録できる日数は制限されている。ペリカンズ戦でも21得点を記録したクックのパフォーマンスを見たウォリアーズは、保証された契約最終年の選手を解雇できる期限日である4月8日を待たず、カスピの解雇を決断した。『ESPN』によれば、ウォリアーズはクックと複数年契約を結ぶ予定だという。

イスラエル人のカスピは2009年のドラフトでキングス入り、NBAデビューを果たしたベテラン。昨夏には複数のチームから好条件を提示されたが、29歳と選手として脂の乗った時期にリング獲得を優先。優勝の可能性が最も高いウォリアーズと格安の契約を結んだ。

もしカリーが離脱していなかったら、ロスターに残り、プレーオフでも出場機会を得ていただろう。もちろん、チャンピオンリングを手にするチャンスはかなりあったはず。ボタンの掛け違いが起こったとはいえ、本人にとっては無念でしかない。

しかし、ウォリアーズが優先するのはあくまで2連覇達成。そのために必要であれば、非情な決断であっても下さなければならない。