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重い病と戦う子供たちの姿を見て刺激を得る

カイリー・アービングがひざの手術でシーズン終了となり、チームを取り巻く情勢が一変したセルティックス。だが、歯車が狂い始めたのは、今からおよそ半年前まで遡る。キャバリアーズとの開幕戦で目を覆いたくなる重傷を負ったゴードン・ヘイワードの離脱が、最初にチームを襲った困難だった。

そのヘイワードは、順調に回復している。最近では自重で、しかも補助なしで室内をジョギングできるまでになり、その様子をSNSに投稿している。先は長いが、回復の見通しは立った。

選手生命を脅かしていたかもしれない重傷を負えば、誰でも精神的にまいってしまうもの。ましてやヘイワードは、昨夏に去就が注目された大物フリーエージェント選手で、バトラー大学時代の恩師ブラッド・スティーブンズとの師弟タッグ復活、そしてアービングとのデュオへの期待も高かった。チームの期待に応えられない悔しさやもどかしさに苦しんだのは当然だろう。実際、ヘイワードは元の自分に戻れるかどうかという不安に襲われたという。

そんな時期、重い病気と戦う子供たちと接することで刺激を受け、自分を客観視できるようになったと『Boston Commn』とのインタビューで明かしている。

ヘイワードは言う。「今回のようなケガは人生で初めてのことだった。高いレベルの運動ができていた状態から、つま先で立つことさえ相当な集中力が必要な状態になってしまった。こういう経験をすると、誰でも変わる。気持ち的にふさぎ込み、悪いことばかり考えてしまっていた時、僕は妻と病院を訪問したんだ。とても重い病気と闘う子供たちを見て、自分を客観視できた」

長く、厳しいリハビリと闘う気持ちを取り戻したヘイワードは、復活を明言。「僕は、誰かに影響を与えられるようになれるし、なってみせる。2018年は僕の年だ」

セルティックスから具体的な復帰時期が発表されたわけではなく、今秋のトレーニングキャンプに間に合うかはまだ分かっていない。それでもヘイワードは、一回りも二回りも強くなっての復帰を確信している。TDガーデンのコートに戻って来る日を、静かに待ちたい。