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昨年に惜しくも落選した仲間のリベンジで新人王に意欲

現在12連勝中のセブンティシクサーズを支えている1年目のベン・シモンズは、ケガで出遅れた昨シーズンの分を取り戻し、それ以上の大活躍を続けている。そのシモンズがどうしても欲しい個人タイトルが新人王だ。

1年目に平均15.8得点、8.1リバウンド、8.1アシストという堂々たるスタッツを残し、1年目に12回もトリプル・ダブルを達成しているシモンズは、すでにスターターに欠かせない。もしシモンズがいなかったら、2012年以来初のプレーオフ進出も叶わなかったかもしれないと思わせるだけの影響力を持つ選手だ。

そのシモンズが新人王にこだわる理由があった。『NBC Sports Philadelphia』に、「新人王はダリオ(シャリッチ)とジョー(ジョエル・エンビード)のために受賞したい」と胸の内を語っている。

昨シーズンの新人王最終候補には、シクサーズからシャリッチとエンビードの2人が選出されたが、バックスのマルコム・ブログドンが受賞する結果に。チームメートの借りを返すという意味合いもあるのだろう。

シモンズは言う。「もし彼ら2人と一緒にプレーしていなかったら、新人王候補にも上らなかったかもしれない。彼らのおかげでやりやすいんだ」

シモンズと新人王を争うのはジャズのドノバン・ミッチェルくらいだ。ゴードン・ヘイワードが抜け、大幅に戦力ダウンしたチームを1年目から背負い、リーディングスコアラーとして大車輪の活躍を見せている。ミッチェル中心のジャズは、西カンファレンス4位にまで順位を上げた。西は最終戦まで順位が確定しない可能性が高いものの、ジャズがプレーオフに進出すれば、当然ミッチェルを新人王に推す声も高まるはず。

ただ、長らく下位に低迷し、ライバルに踏みつけられるという意味の『ドアマット』の地位に甘んじていたシクサーズのV字回復ぶりを考慮すれば、『救世主』という愛称に相応しいパフォーマンスを続けているシモンズが最有力候補ではないだろうか。

シモンズか、ミッチェルか、それとも1952-53シーズンから制定された新人王史上2例目となる同時受賞(1994-95シーズンはグラント・ヒルとジェイソン・キッドが受賞)となるのか、シーズン終了後に開催される2018 NBAアウォーズでの発表を楽しみに待ちたい。