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スパーズのカワイ・レナードと交換という噂が

今シーズンの新人選手の中で、前評判を良い意味で裏切った選手を挙げるなら、ジャズのドノバン・ミッチェルかレイカーズのカイル・クーズマのどちらかだろう。では、期待以上のパフォーマンスを発揮したルーキーが誰かと聞かれたら、新人王をほぼ手中に収めたセブンティシクサーズのベン・シモンズ、もしくはセルティックスのジェイソン・テイタムが挙がる。

テイタムは攻撃パターンが豊富で、とりわけ3ポイントシュート成功率の高さが際立つ。今シーズンの規定数以上に達している新人の中では最高の3ポイントシュート成功率(42.9%)を記録。リーチの長さを生かした守備にも優れ、すでにセルティックスの先発に欠かせない選手になった。

ただ、評価を急激に上げればトレードの対象にもなる。今オフにカワイ・レナードと交換でスパーズにトレードされるのではないか、という噂が上がっているのだ。これに異を唱えるのが、セルティックスの黄金期を支えたメンバーで、優勝8回を誇るトム・ヘインソーンだ。

『Patreon.com』によれば、この噂を聞いたヘインソーンは「もしカワイ・レナードを獲得するためにジェイソン・テイタムをトレードしなければならなくなったら、私はボストンを離れる」と語ったという。

この噂の発端は、レナードとスパーズの折り合いが悪いという報道から来ている。今年の1月からケガで欠場を続けているレナードは、スパーズのメディカルスタッフの意見ではなく、個人的に相談している医師の見解を聞くため、先日からニューヨークに滞在していると報じられたばかり。一向に復帰時期も決まらず、今シーズン中に再びプレーする姿が見られる可能性は日に日に減少している。

レナードは、来シーズン終了後にプレーヤーオプションを行使し、フリーエージェントの権利を獲得する可能性が高い。スパーズがレナードに新契約をオファーするとも言われていたが、それは復帰時期を巡る今回の騒動が表沙汰になる前の話だ。場合によっては、スパーズがレナードを見限り再建に切り替える可能性もある。

セルティックスは、カイリー・アービングを加えた1年目から快進撃を続けている。リーダーのアービングは左ひざの手術で今シーズン終了となってしまい、プレーオフを勝ち進むのは難しいと言わざるを得ない。だが、開幕戦で重傷を負ったゴードン・ヘイワードが来シーズン開幕後に復帰できる予定で、アービング中心のチームは大きくステップアップすると見られている。そこに、もしリーグ屈指の2ウェイプレーヤーであるレナードを加えられれば、超強力な『ビッグ3』が完成する。

今は単なる噂でしかないものの、昨夏セルティックスは地元人気も高かった前エースのアイザイア・トーマスを放出し、周囲を驚かせた。それだけに、球団の未来を支えるためにドラフトで指名したテイタムを思い切ってトレード要員に使うことだってあり得なくはない。もし実現すれば、今年のオフシーズンもセルティックスが移籍市場をかき回すことになりそうだ。