「バスケと付き合っていることの満足感を上げる」
──ソフトバンクは放映権を持って『バスケットLIVE』を運営しているので事業として目に見えますが、これが富士通だとどんな取り組みをしているのか分かりづらいです。
富士通様は露出よりも、競技者やファンの方々を対象にIT技術を活用した新しいサービスを構築し、実証した結果に基づいて、他競技や他エンタテインメントに広げていくことが目的になります。富士通さんはソリューションを販売する会社なので、そこで新たなソリューションをバスケを活用することで創出していくことが大事になります。
──これまでの時点で、パートナーの期待にはどれぐらい応えられているのでしょうか。
そういう意味でこの4年間の振り返りとしては、最初から支援いただいているパートナーさんとはまだ試行錯誤を繰り返している状況で、まだまだ我々も努力していかなければいけないのは反省すべきところです。一方で新しいパートナーさんとの関係が少しずつ広がっているのは我々の価値を認めていただいているという点で成功と言えるかと思います。
ソリューションプロバイダーを目指すためには、パートナーの業界の変化に我々もついていく必要があり、ソフトバンク様も富士通様もITの分野はどんどん変わっています。そこで我々も新しい提案をして、バスケと付き合っていることの満足感を上げていかなければいけません。
──この1年か2年でスポンサーは急に増えた印象です。これはパートナーから見たBリーグ自体の価値が上がったのか、佐野さんたちの営業が変わったのか、あるいは時期的にオリンピック前でスポーツ全般が盛り上がっているのか、理由は何でしょうか。
今おっしゃったことすべてだと思います。一つはBリーグを最初の2年間やったことで盛り上がっている感覚を皆さんが持ち、そこに観客の平均年齢が35歳で他のスポーツより若いだとか、観客の約半分が女性だとか、そういう魅力が分かってもらえるようになりました。もう一つは八村塁選手の活躍や、オリンピックを控えたことでバスケットボールへの皆さんの関心が高まったこと。スポーツを通じてビジネスをしたい企業が増える中で「バスケを選んだら面白そうだ」と思っていただけました。
3つ目は我々がBマーケティングという会社を立ち上げたこと。立ち上げの2年は最初からご支援いただいたパートナーにしっかり応えていかないといけなかったのが、ある程度の形ができたことで次のフェーズに取り組めるようになり、エージェンシーとも関係を強め、ソリューションを提案して経営課題の解決を達成しようという方針を進めることができるようになりました。
──昭和のプロ野球、平成のサッカーに対して、令和のバスケが他のスポーツとは違う価値として押し出せるものは何ですか?
まずは先ほども言いましたファン層です。他スポーツに比べて若く、30代前半が中心で20代の方々も多いです。また女性が多いのも特徴です。もう一つはアリーナエンタテインメントのサイズ感、一体感です。野球やサッカーはフィールドが大きいので何か仕掛けても注目してもらうのが難しいのですが、各クラブの試合では5000人前後、リーグが行うファイナルのような試合であれば1万5000人の観客の規模で、試合前、ハーフタイム、タイムアウトにおいても距離の近さ、一体感を利用したファンも楽しめるようなスポンサーアクティベーションが実施できます。
そして我々Bマーケティングは、Bリーグだけでなく日本代表やウインターカップも担っており、パートナーの経営課題に対するソリューションを幅広く打ち出すことができます。加えて言えばリーグとクラブの距離が近く、我々がソリューションを検討する際はクラブの巻き込み、クラブの権益も考慮しています。例えばパートナーがマーケティング的に「この地域を対象にしたい」とのご希望があれば、我々とクラブが連携して一緒にアクティベーションを実施することができます。