仙台89ERS

『つなぐ』をコンセプトにした『NINERS HOOP』を始動

Bリーグは先日の理事会で2020-21シーズンにおいてはアリーナ要件を緩和することを決めた。Bリーグ規約ではB2クラブはホームゲームの60%以上をホームアリーナで実施しなければならないが、新シーズンは新型コロナウイルスによる影響を配慮し、この規約が対象外となる。

そのルール変更を地域貢献に結び付けたのが仙台89ERSだ。名取、塩竈、白石、加美、登米、南三陸、仙台と普段は試合をしていない地区も含めて宮城県の各地を回り、ナイナーズの輪=HOOPを広げながら、『つなぐ』をコンセプトにした活動『NINERS HOOP』を始動することを発表した。

東日本大震災から10年目を迎える2020-21シーズン。震災当時、解散の危機に陥ったナイナーズを救ったのは、地元の人々による支えだとクラブは言う。そこで2020-21シーズンのホームゲームはゼビオアリーナ仙台とカメイアリーナ仙台で18試合、その他の会場で12試合を行い、宮城県の人々に感謝の気持ちを伝えていく。

また、選手による観光、特産、名産物のPR活動も行い宮城県を盛り上げて行くとのこと。リーグ戦だけでなく、バスケットボールを通じた子供向けの活動も行い、バスケットボール教室や大会の開催、大会が中止になってしまった中学3年生の引退試合の支援、試合開催地域での子供向けバスケットボール教室も開催する。

仙台89ER

澤邉圭太「バスケの力で宮城仙台を盛り上げて行きたい」

この活動は7月から始動したばかりだが、ナイナーズを指揮する桶谷大ヘッドコーチ発案の下、さっそく第1回目となる『NINERS HOOPキッズドリームクリニックsupported by HALEO』が7月18日、19日に実施された。

今回のクリニックは新型コロナウイルスの影響で中総体が中止になり、最後の大会に出場できないまま引退を余儀なくされた中学3年生のために企画。検温や消毒、換気などの新型コロナウイルス対策をしっかりと行った上で、宮城県内の中学校に通う中学生男女44名が参加した。

1日目はナイナーズの選手がクリニックを行い、2日目にはナイナーズの選手が各チームの監督になり、紅白戦を実施。参加した中学生たちは普段は違う学校に通っているが、ともにバスケットをすることで徐々に打ち解け、笑顔であふれるクリニックとなった。

桶谷ヘッドコーチはクリニックを終えて、こう語っている。「公式戦やあらゆるイベントが中止になる中で、『中学最後の思い出を作ってあげられないだろうか』という僕たちの想いを、たくさんの方にご協力、ご協賛いただいて実現できたことに心から感謝いたします。これから受験勉強が始まりますが、またバスケができるその日までみんなで頑張って行きましょう。今日はこどもたちの笑顔が見れて、自分自身もすごくバスケットボールをやっていて良かったなと思いました。皆さんありがとうございました」

また、澤邉圭太は「みんなが、一生懸命プレーしている姿を見て僕自身もすごく嬉しかったし、こどもたちからは逆に僕が学ぶことも多かったです」とコメントし、新シーズンの意気込みを語った。「Bリーグの試合も10月から開幕します! 今年は東日本大震災から10年のシーズン。B2優勝という目標を必ず達成しバスケットボールの力で宮城仙台を盛り上げて行きたいと思います」