グリフィン加入に伴いチームに欠かせない存在に
どんなに優れた選手でも、デビューから数年のうちに自分の居場所を確保しなければNBAでのプレーを続けることはできない。たとえドラフト全体1位指名選手であっても、結果を残せなければ解雇されてしまう厳しい世界だ。だが、例外として、陽の目を浴びるまで時間がかかったとしても地道な努力を重ね、評価を高めるベテランも存在する。
今シーズンで言えば、ピストンズのレジー・ブロックがその例に当てはまる。2013年のドラフト全体25位でクリッパーズから指名されたブロックは、この4年間ケガの影響もあり、年間40試合以上に出場したことがなかった。ピストンズでは3シーズン目で、昨秋にはリーグが定める薬物規定違反により5試合の出場停止処分を科され、今シーズンも出遅れた。
それでも指揮官スタン・バン・ガンディの評価は高く、ローテーションの一角であり続けた。そのブロックに、大きな転機が訪れたのが1月末のこと。ピストンズがブレイク・グリフィンを獲得するためにエイブリー・ブラッドリーとトバイアス・ハリスを放出したことで、ようやくブロックに先発出場の機会が巡ってきたのだ。それからというもの、ブロックはコンスタントに2桁得点を記録し、3ポイントシュート成功率も40%超えを維持。直近15試合でのフィールドゴール成功率は50%近くにまで上げている。
ブロックは、『下積み時代』だった過去の経験について、『The Detroit News』にこう語っている。「自分のような経歴の持ち主だったら、もうリーグから出ているか、リーグに戻ろうとしているところだと思う。でも、自分は適正なポジションを得られた。これまで見て、学んだ時期は、神様が考えたプランだったのだろうね。プレーする機会を得られたから、これから前進し続けるだけだよ」
.@ReggieBullock35 making it happen! #PistonsNow pic.twitter.com/TkpGXGcY8J
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) 2018年3月20日
ブロックにとって1年目の2013-14シーズンのNBAルーキー・ファーストチームには、同年の新人王マイケル・カーター・ウィリアムズ(ホーネッツ)、トレイ・バーク(ニックス)、ビクター・オラディポ(ペイサーズ)、メイソン・プラムリー(ナゲッツ)、ティム・ハーダウェイJr.(ニックス)が選出された。いまだに彼ら5選手はNBAでプレーし続けているが、確固たる地位を確立できたのはオラディポのみだ。
選手によって成長曲線の傾きも異なる。ブロックのように遅咲きながらもチャンスを掴んだベテランを見ると、たった数年で選手を評価してしまう是非を、あらためて実感させられる。