本川がキレのあるドライブ3連発で日本に流れを呼び込む
日本代表と同じくリオ五輪に参戦するセネガル代表を迎えての国際強化試合2戦目。3197人の観客でいっぱいになった小田原アリーナで、AKATSUKI FIVEが躍動した。
試合開始直後はシュートが決まらず流れに乗るのに苦労したが、それも最初の数プレーだけ。センターの間宮佑圭がリバウンドで、吉田亜沙美が激しいチェックでと、ディフェンスで流れを読み込むと、本川紗奈生に火が付いた。セネガルの守備網を切り裂く強烈なドライブを連発。インサイドとドライブインで得点を重ね、なかなか決まらなかった3ポイントシュートも第1ピリオド終盤に近藤楓が沈めた。
ところが、21-9で始まった第2ピリオドにセネガルの猛反撃を浴びる。ベンチメンバーに切り替えた日本がトラベリングバイオレーションを連発し足踏みする間に、マム・ジョジョ・デュフに3ポイントシュートを決められ、さらにはアストウー・トラオレに3本連続の3ポイントシュートを浴び、実に2-14のランで一気に同点にされてしまう。
ここでファーストチームがコートに戻り、相手のミスを逃さない吉田のスティールから本川の速攻で、ようやくセネガルの流れを断ち切った。続くオフェンスでもドライブで揺さぶった吉田からパスを受けた髙田真希がファウルをもらい、フリースロー2本を決めて27-25と再びリードを奪う。この後、残り2分でセネガルが5ファウルになったことも生かし、36-26と2桁のリードを奪って前半を終える。
多彩かつ迫力ある攻めでセネガルを圧倒、控え組も活躍
迎えた後半、勝機を見いだそうと力強いバスケを展開するセネガルに対し、日本は一歩も引かない姿勢を見せる。相手の強固なディフェンスを崩せないと見るや、髙田が2人が待つペイントに強引に仕掛けてファウルをもぎ取る。前半はサポートに徹した感のある髙田がこれで乗り始め、第3ピリオドだけで11得点を荒稼ぎ。さらには3ポイントシュートが入らなかった栗原三佳にも当たりが出て、42-26とリードを広げたところでセネガルがたまらずタイムアウト。
それでも日本の勢いは止まらない。セネガルの素早いパス回しにもがっちり食らい付き自由を与えず、攻めに転じると素早い仕掛けでシュートに持ち込んだ。髙田がドライブからのリバースレイアップ、本川が左からのカットインで髙田の得点をアシストを記録すれば、今度は吉田が右からドライブを仕掛けて髙田の得点をアシスト。さらには速攻から外に展開して本川が3ポイントシュートを沈めて56-30。バリエーション豊かで、それでいて畳み掛けるような迫力ある攻めの前に、セネガルは2度目のタイムアウト。この時点で日本の勝利はほぼ確定した。
そして第4ピリオド、前半に失態を演じたセカンドチームに挽回のチャンスがやって来る。ポイントガードの町田瑠唯は、自ら切れ込んで得点を奪うと、その後はメリハリの利いたパスで攻撃を演出。宮澤夕貴が3ポイントシュートを含む5得点を挙げ、長岡萌映子は力強いセネガルのプレーに体を張って渡り合った。最終的に83-54で日本代表が勝利している。
吉田「たくさんの人にバスケットの魅力を知ってもらいたい」
髙田はゲームハイの21得点をマーク。本川が15得点、間宮が14得点で続いた。
14得点だけでなく12リバウンド(ゲームハイ)と攻守に活躍した間宮は「ポストディフェンスで常に足を動かすことを意識しました。それがオフェンスの流れにもうまく繋がったと思います。全体的に見ても第1戦よりはるかに良かったし、個人的にも動きがよかった」と満足気な表情を見せた。
特に試合序盤にえげつないドライブの連発で日本に流れを引き寄せた本川も、手応えを得た様子だ。「前に走ってブレイクすること。それを意識したことでチャンスが生まれました。3ポイントばかりを意識して、自分の得意なドライブを忘れかけていた部分があったので、攻めるか打つのか、勝手に迷っていたところが吹っ切れた。ヨーロッパ遠征から一歩ずつドライブができるようになっているので、今日の試合も自信になりました」
そしてキャプテンの吉田は、小田原アリーナに集まった3000人を超すファンに対する感謝を述べた。「第1戦もそうですけど、ファンの方との一体感がすごく伝わって来ています。私たちがバスケットをするのを、たくさんの人に応援してもらえるのは幸せなことです。もっともっとたくさんの人にバスケットの魅力を知ってもらいたいので、それを伝えられるようにこれからもやっていきます」
明日はセネガル3連戦の最終戦。代々木第二体育館のチケットはすでに完売している。