「契約があるから参加、不参加だとは言ったこともない」
セルティックスのジェイソン・テイタムは先日、メディアの電話会見で数日前までオーランド行きを悩んでいたことを明かした。「どうすべきかわからなかった。決断したのはほんの数日前だったと思う。僕が違和感を感じていた理由はいくつかある。今でも特に楽しみなわけでもワクワクしているわけでもない」
テイタムが悩んでいた理由は、再開によって『Black Lives Matter』運動が世間から注目されなくなる不安、フロリダ州で新型コロナウイルス感染者数が増えていること、自身の契約のことなど多岐にわたるが、1番懸念していたのは2歳の息子と3カ月間離れて暮らすことだった。「息子と2、3カ月離れなければいけないことに悩んでいた。彼はまだ2歳半と幼いから成長が早く毎週変わっている。それを見られないのが辛いんだ」
不安を抱えながらも参加を決断したテイタムはポジティブな面に集中しようとしている。『バブル』という特殊な環境で行われるプレーオフでは、セルティックスが優勝トロフィーを持ち帰れる可能性は十分にある。「選手はトレーニングを続けてきた。オーランドでチャンピオンを目指して戦うつもりだ。それがチームの目標であり、そのことだけに集中する。誰もが同じ条件で初めての経験になる。ゼロからのスタートになるから環境に早く慣れ、言い訳をせずにバスケットボールに集中したチームが成功を手にするだろう」
テイタムは今シーズン後にフリーエージェントとなりマックス額での契約延長を結ぶ可能性が高い。リーグと選手会が合意したケガをした場合の保証内容には完全には納得していないが、チームより個人の事情を優先する選手という印象を持たれたくなかったと話した。
「詳細は省くが、保証に関する同意は僕の決断、希望、今夏の契約には良くも悪くも影響していない。参加を決めた理由の一つは、僕が契約のために参加しないという記事が出たからだ。記事を読んだけど事実ではない。契約については誰にも話してないし、契約があるから参加、不参加だとは言ったこともない」
とはいえテイタムは、ウィザーズのダービス・ベルターンスがケガが次の契約に与える影響を考慮して不参加を決めたことについては彼の決断を尊重している。
「いくら周りから『君はまだ若いし、どうなろうと給料が支払われる』と言われようが保証は何もない。大きなリスクを背負っていることには変わりないんだ。僕らは稼ぐ金額が多いから一般の人の多くは気にしないだろうけど、ベルターンスのように過去にケガがあって夏に契約を控えている選手が不参加を決めたことは理解できる。筋が通っていると思う。選手にはそれぞれの理由があって参加しないわけで、誰も責められるべきではない。タフな判断だからね。僕が声を上げることで何らかの調整が行われれば、先の見えない状況で戦う選手にいくらか安心感を与えられるはずだ」