ザイオン・ウイリアムソン

「シーズン再開が近づいていることに興奮している」

28勝26敗で西カンファレンスの10位。ペリカンズはシーズン再開の22チームに入っているが、プレーオフ進出は険しい道だ。それでも、バブル(隔離エリア)で行われるシーズンで、最も注目を集めるチームの一つになるだろう。それはドラフト1位ルーキー、ザイオン・ウイリアムソンの存在があるからに他ならない。

アスリートとして世界トップクラスの選手たちが集まるNBAにおいても、ザイオンの能力は突出している。ケガで開幕から出遅れ、ここまでわずか19試合にしか出場していないものの、そのプレーはインパクト十分。23.6得点、6.8リバウンド、2.2アシストという数字では説明できないスケールの大きさがある。しかも、ケガ明けで100%のコンディションではなかった。

シーズン再開に際して『100%のザイオン』が見られるかどうか。彼自身は新型コロナウイルスのパンデミックでシーズンが中断し、チームの練習施設が閉鎖された期間、使われていないジムにこもってトレーニングに励んだ。チームメートのジョシュ・ハートは、「とんでもない身体をしているし、シュートの調子も良いみたいだ。もし彼が開幕からプレーしていたら、8位を目標にして戦うこともなかっただろうね」と証言している。

ロンゾ・ボールとジュルー・ホリデーがハンドラーで、ブランドン・イングラムとザイオンがウイング、そしてデリック・フェイバーズがセンター。そしてハートとJJ・レディック、ニコロ・メッリがベンチからチームを支える。中断前とペリカンズの顔ぶれは変わらなくても、ザイオンのコンディションが上がっていれば、彼らは恐るべきチームになり得る。

ザイオン自身はいつもと変わらず謙虚で、「全員が健康であれば、僕らは特別なチームになれる」と語るに留まっている。「僕は特に心配していないよ。バブルの内部は安全だろうって、僕はリーグを信頼している。そして僕たちはみんなシーズン再開が近づいていることに興奮している。もうすぐあそこに行くんだぞ、ってね」

ニューオリンズではチーム練習を行っておらず、それぞれがワークアウトに努めている。初めてのチーム練習を行うのはディズニー・ワールドに到着した後、何事もなく問題が起きなければ今週の金曜日となる。

長い中断を経て、ようやく5対5の練習が再開するわけだが、彼らが心配しているのはケガだけだ。ハートは言う。「サッカーのブンデスリーガでは、リーグ再開の週末に多くのケガ人が出ていた。やっぱり心配はあるよ。僕たちにできるのはトレーナーと一緒にケガをしない身体作りをすることだけだ」

プレーオフ進出のハードルは高いが、彼らが心配するのはコンディションだけ。まさにザイオンが言う「全員が健康であれば、僕らは特別なチームになれる」という言葉を全員が信じている。ペリカンズは超大物ルーキーとともに逆転でプレーオフに進出できるのか、その場合はどこまで勝ち進むのか。そう思いを巡らせれば、ザイオンならずとも興奮は抑えられない。