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「クリッパーズにはプレーオフに勝ち進める力がある」

3月21日に行なわれたバックス戦で、クリッパーズのミロシュ・テオドシッチは15得点2リバウンド4アシスト1スティールの活躍を見せ、127-120の勝利に貢献した。31歳になったばかりのテオドシッチは、欧州ベストのポイントガードと呼ばれて久しい。20代でのNBA挑戦が期待されたが、契約上の理由で30歳まで海を渡らず、欧州を活躍の舞台としてきた。

プレシーズンから『ファンタジスタ』と呼ぶに相応しいノールックパスや、チームメートの特性とプレーのタイミングを即座に理解して阿吽の呼吸の連携を見せるなど、前評判に違わぬパフォーマンスを披露。序盤戦はケガの影響で欠場することも多かったが、これまでに42試合出場、平均9.3得点、4.8アシストを記録し、欧州時代にも経験がない年間48試合を超える出場試合数まであと7試合に迫っている。西カンファレンス10位のクリッパーズがプレーオフに進出できるかは、テオドシッチにかかっていると言っても過言ではない。

バックス戦を含め、テオドシッチが2桁得点を記録した試合で、クリッパーズは14勝6敗と大きく勝ち越している。彼が攻撃に加わることで、チームに良いリズムが生まれている証でもある。8位ジャズとのゲーム差はわずか2で、今後は同じくプレーオフを争うトレイルブレイザーズ、スパーズ、ナゲッツ、ペリカンズとの試合も残っているが、4月5日にはジャズとの直接対決も組まれている。今後のキーマンとしても注目されるテオドシッチは、先日『LA Times』に、NBA1年目についてこう語った。

「ここにいられることがうれしい。世界最高の選手と一緒にプレーするのも、対戦するのも楽しめている」

これまでは先発起用がメインだったテオドシッチは、NBAでは起用法にこだわりがないと言う。「欧州時代には2試合で先発に起用されて、それからの5試合でベンチ出場だったこともある。自分にとって起用法は大事ではないんだ。誰が先発かよりも、試合終了を迎えるときに誰がコートに立っているかの方が大事」

テオドシッチは、「タフなスケジュールが続くけど、このチームにはプレーオフに勝ち進めるだけの力がある。あきらめずに戦うよ」とも語った。

この『オールドルーキー』は、NBAのベテラン選手でも経験したことがない緊張感ある試合を戦い抜き、ユーロリーグ優勝、ユーロリーグMVPを含め、数々のタイトルを勝ち取ってきた百戦錬磨だ。プロでの年数で言えばチームで最も経験豊富なテオドシッチのパフォーマンスが、クリッパーズの明暗を分けることになるかもしれない。