「血と汗、時には涙を流し努力して参りました」
千葉ジェッツのマイケル・パーカーが、群馬クレインサンダーズに期限付移籍することが今日発表された。
千葉とパーカーの間には2年契約の2年目が残っていたが、ギャビン・エドワーズが今年に入って日本国籍を取得。「帰化選手2名を保有することはできないため決断をしなければならない状況となりました」、「彼を手放すことはクラブにとって大きな損失」と池内勇太GMが説明したように、千葉としては難しい判断となった。
Bリーグになって千葉ジェッツは強豪チームへと急成長した。そこでパーカーが果たした貢献は大きい。2008年1月の初来日からbjリーグ(福岡と島根)で4年連続得点王となり、NBL(和歌山、A東京)でもスコアラーとしてコンスタントに結果を残したパーカーは、Bリーグのスタートに合わせて2016年夏に千葉に加入。この時点で34歳で、少しずつ運動能力は落ちていくところだが、パーカーには高いバスケIQと勝負にこだわる貪欲さがあった。勝負どころでの1本のシュートを確実に決める力、ディフェンスでもギャンブル的なスティールを、決めれば相手にとって一番厳しいタイミングで決めては、接戦を勝利へと変えてきた。
パーカーにとっても千葉は特別なチーム。それまで日本で9シーズン、常にプレーオフに進出するチームのエースだったが、タイトル獲得には届かなかった。それが千葉に来て3年連続で天皇杯優勝。2017年の初優勝の際には「昔は多くのシュートを打って得点するのが役割だったけど、今は違う。チームを勝利に導くためにどうするかを学び、より賢くなり、ハードにプレーするようになった。個人ではなく、チームのために何をするべきか集中している」と語っている。
今回の移籍に際しても、ファンに向けてこんなメッセージを発表している。「皆さんの代表としてプレイした、ここ千葉での時間は私にとって夢であり、そして私の期待を超えていました。 自分の能力を最大限に発揮できたことを誇りに思うと同時に、皆さんが誇れる選手になれるよう血と汗、時には涙を流し努力して参りました。皆さんがそう感じてくれていると嬉しいです」
群馬にとっては、それだけインパクトの大きな補強だ。外国籍選手の起用ルールが変わる新シーズンにおいても、力のある帰化選手を擁する意味は大きい。クラブはパーカーの獲得に際して「豪快なダンクを武器に、B2のコートではまさに『モンスター』として、他チームの脅威となること間違いなしです」とのコメントを発表している。
パーカーは「群馬クレインサンダーズはプレースタイルを含め自身にパーフェクトにフィットするのではないかと感じておりますし、日本のいかなるレベルでも戦える非常に強力なロースターを構築するという見事な仕事をしたと思います」とコメント。
すでに外国籍選手はブライアン・クウェリとジャスティン・キーナン、B1でも十分に戦える選手と契約しており、日本人選手でも上江田勇樹、山崎稜、田原隆徳、笠井康平とB1経験豊富な選手を次々と獲得している。