苦戦の続くチームにエースの姿はなく
西カンファレンスの強豪スパーズが、21年ぶりにプレーオフ進出を逃す危機に直面している。現在スパーズは西カンファレンス8位で、9位クリッパーズ、7位ペリカンズ、6位ジャズらと激しい争いを繰り広げている。本来ならスパーズは西の上位をウォリアーズ、ロケッツらと争うべき存在なのだが、今シーズンはエースのカワイ・レナードをケガで欠き、今も出場できる戦力でやり繰りしている状態だ。
そのレナードの状況については様々な情報が飛び交っている。チームドクターが出場許可を出したにもかかわらず本人が出場をためらっている、あるいはヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチとレナードの不仲説すら浮上してしいる。スパーズファンの中でも意見が割れるところで、なかなか復帰時期が決まらないレナードに業を煮やし、不満を言い始めるファンも出てきた。
この状況でファンに冷静さを取り戻してほしいと主張する選手こそ、パウ・ガソルだ。ガソルは右肩を痛めてからも出場を続けているが、レナードのケースについて『my SA』から意見を求められると、こう答えている。
「僕たち人間は、状況を理解しないまま判断して、誤る傾向にある。カワイのコンディションについて誰も分かっていない。皆、それぞれの倫理観、道徳、プレーしたいという意欲を尊重すべきと思うんだ。その上で、すべきことをすればいい」
スパーズにとっても、レナードを復帰させるか判断が難しい。間もなくレギュラーシーズンを終えるこの段階で、無理に復帰させてプレーオフ進出を決めたとしても、それで来シーズンに影響を及ぼすようでは本末転倒だ。1月13日から欠場を続けているレナードに無理をさせても、今シーズンはプレーオフ1回戦でロケッツかウォリアーズと対戦する可能性が高く、勝ち上がるのは困難と言える。ポポビッチも、現状を理解しているからこそ、レナードの復帰については多くを語らないのだろう。
ガソルが言うように、冷静に考え、チームにとって最善の決断を下してもらいたい。