写真=Getty Images

パワフルな攻めの姿勢を貫き、混戦を勝ち切る力に

八村塁を擁するゴンザガ大はNCAAトーナメント2回戦でオハイオ州立大と対戦した。

試合開始からゴンザガ大が猛スパート。ザック・ノーベルJr.の3ポイントシュートで先制すると、そのまま15-0の怒涛のランで主導権を握る。八村も早々に投入され、フリースローで初得点をマーク。ディフェンスではドライブで抜かれるもすぐさま反転して背後からのブロックショットを決め、勢いに乗った。1回戦ではチームオフェンスにあまり絡めなかったが、この試合ではポストプレーからの1on1やピック&ロールからのダイブで次々とチャンスを呼び込む。2つのファウルを犯し早々にベンチに戻るも、一連のガッツ溢れるプレーは間違いなくゴンザガ大に勢いを与えるものだった。

八村がコートに戻って来たのは前半残り7分半、27-16の場面。さっそくゴール下にパスを呼び込んで得点。続くポゼッションではポストで相手ディフェンスを引き付けてパスアウト。決まらなかったが味方にオープンでの3ポイントシュートを打たせる働きを見せる。守備ではヘルプディフェンスからのブロックショット、攻撃に転じてはパスを呼び込んでのアリウープ・タップなどインパクト満点のプレーを披露してチームを牽引した。

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ゴンザガ大は44-33で前半を折り返したが、NCAAトーナメントに楽な試合はない。後半は大苦戦に見舞われた。後半開始から2分半で4-13のランを浴びると、そこからは一進一退。後半開始から5分、52-46の場面で八村はコートに送り出される。1点差に詰め寄られた場面でゴール下のシュートを決め、続くオフェンスでも囲まれながらシュートを狙う積極性でファウルをもぎ取る奮闘を見せるが、前半に4本中1本しか決められなかったフリースローを、この場面では2本とも落としてしまい、直後に相手の3ポイントシュートで逆転を許してしまう。

ここから相手ペースになるが、ファウルトラブルでベンチに下がっていたジョシュ・パーキンズの投入でオフェンスに流れが戻り、残り5分で68-67と逆転。八村は良い形で攻められていた前半とは違い、動きを警戒されて簡単にパスをもらえなくなったが、身体を張り、ウイングスパンを生かした守備とリバウンドで奮闘。混戦からゴンザガが抜け出す大事な時間帯に貢献した。

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そして残り3分45秒、相手が全く警戒していなかった3ポイントシュートをねじ込む値千金の一発が八村に飛び出し、ノーベルJr.も3ポイントシュートで続いて76-69と突き放す。さらには最後の反撃に出るオハイオ州立大の勢いを削ぐ、この日4つ目の八村のブロックショットが炸裂。

その後はディフェンスリバウンドをしっかり取り、フリースローで加点したゴンザガがペースを譲らず、最終スコア90-84でNCAAトーナメントのベスト16進出を決めた。八村はラストプレーでダンクをたたき込み、混戦に決着をつけている(ただし、この状況でのダンクは現地ではマナー違反)。

八村はフィールドゴール11本中9本で25得点と大暴れ。ブロックショット4つも大いにインパクトがあった。なかなか冷静に打てないフリースローは課題だが、終盤のファウルゲームで持ち直して12本中6本成功と何とか50%に戻している。

昨年の準優勝を上回ることが目標のゴンザガ大にとっては、ここはあくまで通過点。それでも、粘る相手に苦戦を強いられながら、チーム一丸で勝ったことは大きなプラス。そこで八村が攻守に確かな存在感を見せたのは、うれしい限りだ。

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