ケビン・ラブ

「沈黙の方が安全だと感じても、声を上げ続けることが大切だ」

『ESPN』が主催するスポーツ選手を対象とした年間表彰式『ESPY賞』の授賞式が6月21日に行なわれ、キャバリアーズのケビン・ラブがスポーツの枠を超える活動を行った個人に贈られる『アーサー・アッシュ・カレッジ賞』を受賞した。

ラブは以前、自身がパニック障害に苦しんだ過去を告白し、その後もメンタルヘルスへの知識を広める運動を行っている。また、新型コロナウイルスの感染拡大によってシーズンが中断してからも、収入面で影響を受けたアリーナスタッフへの寄付や不安を抱えた若者へエールを送るなど積極的に活動してきた。

ラブは『アーサー・アッシュ・カレッジ賞』を受賞し、アメリカ国内の現在の社会情勢を踏まえてこう語った。「今、この国で起こっているすべてのことを考えると、この賞は名誉であり、挑戦でもあると受け止めている。挑戦とは自分の道を歩み続けることではなく、それを超えることだ。沈黙の方が安全だと感じても、声を上げ続けることが大切だ」

また、以前から母校のメンタルヘルスに関する活動を支援していて、今回、自身の財団を通じてUCLAの心理学部に50万ドル(約5300万円)を寄付したと『ESPN』が伝えた。

ラブは「不安や鬱病に関する偏見がなくなる日が来ることを願っている」と話し、こう続けた。「そのためには、診断や治療を改良する必要がある。もっと一般の人々がメンタルヘルスに関して話し合えるような環境にして、必要な時に助けを求められる社会になってほしい」

UCLAの心理学、精神医学、生物行動科学のミッチェル・クラスク教授はラブの支援に感謝し、彼の勇気ある行動を称えた。「ケビンのような英雄が自身のことを共有してくれるのは、不安や鬱病に対する偏見をなくすことに繋がる。彼のリーダーシップとその勇気に感謝している。ケビンは多くの人にインスピレーションと希望を与えてくれた。彼の継続的な努力によって、彼は多くの人の生活を変えてくれている」