「ポップとも毎日話している」と信頼関係を強調
2月下旬、スパーズの指揮官グレッグ・ポポビッチは「レナードが復帰あるとしても今シーズンの最後になるだろう。今シーズン中に戻って来れたとしたら驚くだろうね」と語った。
NBA屈指の2ウェイプレーヤーであるカワイ・レナードは、右足四頭筋の腱を痛めて長期戦線離脱中。もともとはシーズン開幕に間に合うはずだったが、復帰時期はどんどん後ろ倒しになり、12月になって復帰したものの、休養を挟みながら9試合に出場する『試運転』だけで再び戦線離脱。そこで指揮官の「戻って来れたとしたら驚く」という発言があったために、これが単なるケガでなく、スパーズとレナードの関係に亀裂が入った結果だという憶測が噴出した。
あまり表に出ることを好まないレナードも、こうなっては説明するしかない。7日のチーム練習場で彼は取材に応じ、「チームとの間に問題はないし、ポップ(ポポビッチ)とは毎日会話している」と話した。「スパーズでキャリアを終えたいか?」という記者の質問に対しても「もちろんだ」と答えている。
医学的にはケガは治っており、チームドクターも復帰にGOを出しているが、レナード本人がまだ痛みを感じており、このところケガが重なっていることから慎重になっているのが、事の顛末のようだ。ちなみにレナードとスパーズは5年契約の3年目を迎えている。5年目の契約はプレーヤーズオプションで、これを破棄すれば来シーズンが終了する2019年夏にレナードはフリーエージェントとなる。このあたりもスパーズが彼に強く出られない要因かもしれない。
もっとも、スパーズはエース抜きでも37勝28敗で西カンファレンスの5位につけており、プレーオフ進出は問題なさそうで、レナードを無理にコートに引っ張り出す必要はない。
レナード自身は今月下旬の復帰を目指し、これからトレーニングの強度を上げていくようだ。そうなれば、レギュラーシーズンのラスト数試合でゲーム勘を取り戻し、プレーオフ1回戦からは『本格稼働』という計算が立つ。ただ、その場合も1回戦で強豪との対戦を避けるためにも、現在の5位はキープしておきたいところ。スパーズとポポビッチ、そしてレナードの目論見どおりに事は運ぶのだろうか。