文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

チェコに勝てばグループリーグ2位追加で準決勝に進出

五輪世界最終予選、男子日本代表は本日深夜28時(7日早朝4時)からチェコと対戦する。

4日の初戦で日本代表に勝利したラトビア代表は、5日にチェコを71-59で撃破。2連勝でグループ1位通過を決めた。あとは今日の日本とチェコの勝者が2位でグループリーグを通過することになる。

日本代表は昨日、約1時間の練習を行いチェコ戦に向けた準備を行った。連戦を強いられるチェコに対し、日本は中1日で迎えられるだけに、コンディションでは大きく有利。昨夏にチェコを招いた国際親善試合では、3試合を戦って2勝1敗と勝ち越している。もっとも、この時のチェコは主力不在のBチーム。やはり相当なパフォーマンスを発揮しなければ乗り越えられない相手と認識すべきだ。

それでも、この決戦で求められるのは相手どうこうではなく、日本代表がどれだけ自分たちの持ち味を出せるか。敗れたラトビア戦、『超ハードワーク』の姿勢はしっかりと見せたが、結果として運動量で相手を圧倒できたわけではない。

立ち上がりこそ良かったが、運動量や積極性といった部分ではむしろラトビアのほうが目立った。オフェンスに迷いが出た結果として連発したターンオーバーと3ポイントシュートの試打数の少なさが、アグレッシブに行けなかった日本のプレーぶりを表している。

世界で勝つために必要なのは「したたかな試合運び」

もう一つ、スタッツに出ない部分で言えば「したたかさ」が足りなかった。試合開始時点に持っていた強い気持ちを試合巧者のラトビアにいなされ、気付けば2桁のビハインドを背負い、そのまま受け身に転じてしまった。

長谷川健志ヘッドコーチは「経験をしに行くのではなく、本気で五輪を目指して勝ちに行く」と、この大会への意気込みを語ったが、それであればチャレンジャー精神でぶつかるだけでは足りない。「当たって砕けろ」の特攻精神は、やはり敗者の戦い方なのだ。

本気で勝つためには、相手の嫌がるプレーを徹底的にやる、相手に流れが来ている時間帯に動じることなく耐える、そして積極的なプレーで自ら勝機を呼び込む……といったプレーが求められる。これら「したたかな試合運び」こそが、世界で勝つためには必要なのだ。

変な計算は必要ない。ただチェコに勝てばいいだけ。一昨日の敗戦を吹っ切り、勝つためにできることすべてをやること。その姿勢を日本代表には求めたい。

チームとして戸惑うことの多かったラトビア戦、最も積極性が目立った選手の一人が若い渡邊だった。