ゴードン・ヘイワード

セルティックスでの立ち位置は4番手前後

2017年のオフにセルティックスと大型契約を結んだゴードン・ヘイワードは、それからアップダウンの激しいキャリアを送っている。

新天地での開幕戦で左足首の脱臼、脛骨を骨折する重傷を負い、復帰までに1年を必要とした。復帰1年目の昨シーズンは、72試合に出場して平均11.5得点を記録したものの、ヘイワード本人もメンタル面の影響があったことを認めている。2019-20シーズンは先発に固定され、45試合で平均17.3得点、6.5リバウンド、4.1アシストという数字を残し、エースとしてジャズを引っ張っていた時代を彷彿させた。

しかし、セルティックスは昨年のオフにケンバ・ウォーカーを獲得し、3年目のジェイソン・テイタムも順調に成長し続けている。また、ジェイレン・ブラウンも台頭するなど、ヘイワードの立ち位置はチーム内でも4番手前後といったところ。今のヘイワードはチーム内の役割に徹しているが、コンディションさえ万全ならもっと重要な役割を担えるだけの選手だ。

そのヘイワードは、今年のオフにフリーエージェントになれるプレーヤーオプションを保持している。もちろん、彼が3400万ドル(約36億5000万円)超えの来シーズンの年棒を蹴ってまで市場で自分の価値を試してみたい、あるいは単純に移籍願望があるかどうかの話だが、もしフリーエージェントになった場合、出身地のインディアナポリスに本拠地を構えるペイサーズが獲得に動くのではないかと見られている。

『Indianapolis Star』でペイサーズの番記者を務めるJ・マイケルは「もちろんペイサーズは獲得を検討するだろう」と、『NBC Sports Boston』のポッドキャスト番組内で語った。マイケルはヘイワードを「スーパースターではなく、優秀な選手」と評価し、もしペイサーズに移籍すればチームは多彩なオプションを手にすることになると話す。

「彼は複数のポジションでプレーできるし、ペイサーズには同じタイプの選手が多い。今よりもさらにスモールボールに特化したラインナップを組めるようになる。マイルズ・ターナーとドマンタス・サボニスを外して、彼をパワーフォワードで使えば、対戦チームにとって厄介な多様性のあるラインナップが組める。それでいてチームにはターナー、サボニスのようにリムプロテクターであり、インサイドの守りに優れているビッグマンもいる。ペイサーズはヘイワードのような選手に関心を示すはずだ」

また、マイケルはヘイワードが加わることで、シーズン中断前の時点で最下位(27.5)だった3ポイントシュート試投数も改善されると考えている。「ペイサーズにはインサイドにも切り込めて、3ポイントシュートが打てるフォワードが必要だ。ヘイワードなら機能するし、彼とインディアナの関係性もある。彼が加わればチームは完成する」

ペイサーズはエースであるビクター・オラディポとの延長契約問題も抱えている上に、新型コロナウイルスの影響でリーグの収入が大幅に減少していることでサラリーキャップの金額も引き下げられると見られているため、ヘイワードに大金を積めない可能性が高い。

もしヘイワードが高額年棒より選手としてのモチベーションを優先してフリーエージェントになれば、ペイサーズを含めて複数のチームが関心を示すかもしれない。今オフは数カ月先になるが、彼がどういう結論を出すのか注目したい。