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「金額は重要ではない。僕はただ、ここにいたい」

昨夏フリーエージェントの権利を手にしたケビン・デュラントは、ウォリアーズと再契約を結ぶ上で、同じくフリーエージェントになった優勝メンバーのアンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンが希望条件で再契約できるよう、自ら減俸を受け入れた。

デュラントの男気溢れる行動によりキャップスペースに空きができたウォリアーズは、ステフィン・カリーと2億ドル(約211億円)超えの条件でスーパーマックス契約を結んだほか、セカンドユニットを支えるベテランを残すことに成功。今シーズンも優勝候補最有力チームとして順調に勝ち星を増やしている。

そのデュラントは、今オフ再びフリーエージェントになれるプレーヤーオプションを保持している。おそらくオプションを行使してフリーエージェントになるだろうが、あらためてウォリアーズと契約することを希望している。

デュラントは『The Athletic』に「長期契約を結んで、安定を感じたい」とコメント。気になる条件についても触れ、「もう十分に稼いだから、金額は重要ではない。僕はただ、ここにいたい。このチームでプレーするのが大好きなんだ」と語った。

今シーズンもMVP級の活躍を見せているデュラントは、平均26.0得点、6.7リバウンド、5.4アシスト、キャリアハイの1.9ブロック、フィールドゴール成功率52.4%、3ポイントシュート成功率43%という成績を残している。

ウォリアーズがデュラントとどういう条件で再契約を結ぶかは、夏の補強プラン次第だろう。今オフにはレブロン・ジェームズ、ポール・ジョージら大物フリーエージェント選手も市場に顔を並べ、ウォリアーズがレブロンの獲得に動くという憶測も出始めた。ウォリアーズがロスターのアップグレードを考えるのであれば、昨年に続いてデュラントに単年契約を持ちかける可能性もある。

加入した2016年から3年続けて単年契約を結ぶことは、デュラントにとってもメリットがある。もし2年続けて減俸を受け入れ、3年連続して単年契約を結べば、来年の夏にウォリアーズとスーパーマックス契約を結ぶことが可能になるからだ。ウォリアーズにとっても、クレイ・トンプソンとの契約が満了となる2019年の夏には、デュラントに最大限の誠意を示す余裕も生まれる。

トンプソンの去就にも注目が集まるものの、デュラントの意思が残留で固まっているのは大きい。超豪華布陣により『スーパーチーム』と呼ばれるウォリアーズだが、デュラントらスター選手がこぞってプレーしたがるのは、「勝てるチームだから」だけではない。チームの雰囲気、ケミストリー、メンタリティを含めたチームの姿勢、球団の方針すべてに納得できて、かつコートでのプレーに満足できるからだ。

レブロン獲得の可能性は置いておいても、今夏デュラントが再び男気を見せれば、さらにアッと驚くチームが完成する可能性はある。