前日の反省を生かしたロケットスタート
2月17日、川崎ブレイブサンダースが、ホームのとどろきアリーナでレバンガ北海道と対戦。序盤からリードを奪い第3クォーター終盤には18点差をつけるなど試合を優位に進めると、第4クォーター終盤に北海道の猛追を受けたものの82-79と辛くも逃げ切り勝ち。ここまで2勝2敗の五分だった同地区のライバル相手に、大きな同一カード2連勝を達成した。これで2月を5勝1敗で終えた川崎は、明日試合を残す東地区2位千葉ジェッツとのゲーム差1.5に縮めている。
前日の試合、川崎は第1クォーターで18-29と劣勢に立つと、一時は最大で21点のビハインドを背負うなど出遅れた。この反省を生かした本日は、第1クォーターに4点を先制されるが、そこから怒涛の17連続得点。21-9と昨日とは真逆の形で第1クォーターを終える。そして第2クォーターもニック・ファジーカス、篠山竜青が確実に加点し、38-30とリードして前半を終えた。
第3クォーターに入って川崎の流れは続く。0得点だった前日に続き、前半でシュート7本中1本成功の3得点と精彩を欠いていた辻直人が、うまく切り替えてゴール下への積極的なアタックでファウルをもらい、このクォーターだけでフリースロー6本成功。さらに、得点だけでなく長谷川技への速攻を生み出したパスなど第3クォーターのみで計5アシストを記録。この辻の活躍もあり川崎は14点リードで第4クォーターを迎えた。
粘りを見せた北海道だが逆転勝利には届かず
このまま川崎の快勝で終わるかと思われた第4クォーターだが、「頭にターンオーバーを3つくらい喫したことで、追い上げられてしまいました」と川崎の北卓也ヘッドコーチが振り返ったように、出だしでの川崎のミスにより流れは北海道に移る。そして、北海道はこの試合21得点のマーク・トラソリーニ、19得点の折茂武彦が第4クォーターでそれぞれ10得点、9得点を稼いで追い上げると、残り4秒にはトラソリーニのバスケット・カウントとフリースロー成功で1点差にまで肉薄する。だが、ここで川崎は相手のファウルゲームに対し、辻直人がフリースローを2本しっかり決めて逃げ切った。
北ヘッドコーチは「本当にどっちが勝ってもおかしくない試合でした。今回はホームで試合ができたことが連勝につながりました。」と、3800人を超える観客が集まったホームの声援に感謝。そして「チャンピオンシップを見据えるのはまだ早いです」と言う一方で、同地区の北海道に勝ち越せたことで、「一つ優位に立てました」と安堵感を見せていた。
痛い連敗となった北海道だが、水野宏太ヘッドコーチは「結果に関しては自分たちの望んでいるものは手に入れることはできなかったので満足できない部分はあります」との第一声の後、あと一歩まで追い上げた粘りには手応えを感じている。「試合の序盤、相手に流れを持っていかれた中、そこで我慢して流れを戻す戦いが最後までできたことは、チームの成長につながります。この一点については非常に価値のあることでした」
ゲームコントロールがより大事になっていく
この2日間に加え、川崎は1月26日、27日に行われた前回のホームゲームである千葉戦において、ともに逆転にまでは至らなかったが20点以上の大量リードを奪いながらなんとか逃げ切り勝ち。逆に敗れたものの大量リードを許した中で、あと一歩で追いつくとこまで迫っての1勝1敗。「本当にバスケットは何が起こるのかわからない。20点もセーフティーリードではなくなっています」(北ヘッドコーチ)と白熱のゲームが増えている。
本来ならばなかなか見られない試合展開が増える理由を尋ねると、「分かりません(笑)」と即答。「確かにウチだけでなく他の試合も20点あっという間に追いつたりしていますので、なぜこういう展開が昨シーズンより増えているのか、私も不思議で原因が分かればと思います。ただ、本当に見ていて面白いですし、バスケットの難しさ、また新たに勉強することもたくさんあります」
北ヘッドコーチは続ける。「点差がついて大逆転するのはチームもそうですし、見ている方々も興奮してくれる。それは自信にはなりますけど、やはり追いつくのは容易ではないので『20点ついてもまた追いつくでしょ』という感じになってはいけないです。そういう点差にならないように試合の中で判断することが重要です」と、あらゆることが起こり得るからこそゲームコントロールがより大事になっていくと締めくくっている。