新たなフェーズを迎えた千葉ジェッツ、西村文男は「今シーズンに得たことをプラスして挑みます」

新たなフェーズを迎えた千葉ジェッツ、西村文男は「今シーズンに得たことをプラスして挑みます」

2020/05/31

西村文男

盟友の小野龍猛がチームを離れたことで、西村文男は千葉ジェッツの最古参メンバーとなった。今シーズンキャプテンを務めた西村は俯瞰でチームを見ながら、新たなフェーズを迎えたチームをまとめていくことになる。自分のことよりも「どうやってチームを勝たせるか」に意識が向いている西村に話を聞いた。

「良い意味で忙しくしています」

──緊急事態宣言が解除されましたが、今オフはどのような生活を送っていますか?

ためになることがしたいと思って英語を勉強したり、愛犬との散歩を長くしたりしています。姉が通訳のような仕事をしているので週3くらいで2時間のレッスンを受けています。

もともとオンとオフがはっきりしてるタイプなので、オフはバスケから離れることが多いです。この細さもそうですし、年齢的にも一度落ちたコンディションを戻すのは大変なので、最低限のラインを下回らないようにやっています。

──インスタライブやYouTubeチャンネルの開設など、積極的にファンとの交流を行っているのが印象的です。

そうですね、基本的にNGもないので。オフに1000人くらいのバスケイベントを企画してて、飲み会もあったし、洋服の展示会もやろうと思っていたので、緊急事態宣言が出た時は本当にどうしようかと思いました。その中でインスタライブが増えていき、YouTubeもサポートしてくれる人がいたので、やることになりました。

本当は演出するほうが好きなんです。だから自分が前に出て目立ちたいというよりは愛犬を前に出したり、自分をどう表現すればみんなが面白がってくれるのかという勉強がてら。バスケ選手なのに、トレーニング動画よりゲーム配信のほうが見られてるのが分かって面白いです。見てる年代や属性が出るので、それを分析するのも楽しいです。

──完全にユーチューバーじゃないですか。それはセカンドキャリアを見据えてもいるんですか?

そこまでは考えていないです。好奇心旺盛で、いろいろな経験をしたいという願望の一つですね。ただ、バスケットボール選手って自分でお金を稼いでるっていう感覚が普通の人より少ないと思うんです。感覚がちょっとズレているというか。そういう意味でお金を稼ぐ大変さだったり、ビジネス的な部分を知ることができるのもいいですね。良い意味で忙しくしています。

西村文男

「衰退はしてないけど飛躍もしていないシーズンだった」

──今シーズンはキャプテンを任されて迎えたシーズンでした。開幕する前の取材で「変化は衰退の可能性もある」と話していましたが、どのようなシーズンでしたか?

厳しい評価かもしれないですが、衰退はしてないけど飛躍もしていないシーズンだったと感じています。コロナで中断した以降が飛躍の部分になると思っていたので、そこは残念です。

メンバーが結構代わったのもあるし、若手が増えたのもあって、序盤は苦労すると思っていたので予想通りといえば予想通りでした。ただ、自分なりにどうしようか考えながらやっていたときにケガをしてしまって。プレーをしながらみんなにアドバイスするのと外から見ながらアドバイスするのでは温度差もあるし、自分としてはもっとプレーしながらみんなに貢献したかった思いはあります。

──東海大4年時以来のキャプテンとなり、「違う自分が見れるかもしれない」とも話していましたが、実際どうでしたか?

正直、そこまで変わらなかったですけど、自分の意見をみんなに伝えることは多くなりました。その中で選手に対してアプローチはしていたんですけど、そのアプローチの仕方がもっと他にあったんじゃないかって今となっては思います。

──小野選手がチームを離れたことで、西村選手が最古参となりました。チームとしては新たなフェーズを迎えたかと思います。

リュウが4年間キャプテンとしてチームを引っ張ってきてくれましたし、その通りだと思います。僕がキャプテンになりましたが、僕は「お前ら行くぞ!」ってガラじゃないですから(笑)。リュウには前のキャプテンシーはやめないでくれとお願いしていて、実際に試合に出れなかった時もチームを鼓舞したり、それを継続してくれて助かっていました。

客観的にチームを見れて、うまく回してくれる選手を考えた時に、リュウがいないのはキツイなと。年齢的に僕の次がシゲ(田口成浩)になるので、大宮(宏正)が継続してくれて一安心です(笑)。

今シーズンはキャプテンシーだったり、チームへのアプローチの仕方とか、「キャプテンとは?」というところを勉強させてもらいました。またキャプテンをやるかは分かりませんが、今シーズンに得たことをプラスして挑みます。

西村文男

「コート上の監督のような人物がいてもいいのかな」

──ある種、達観しているように映りますが、一選手としてこうなりたいという理想像はありませんか?

正直、自分が30分出てチームを勝たせたいという欲はもうないですね。勝った時に「文男のここの貢献度は大きかったよね」って言われるようなことを増やしたいとは思います。

──藤永佳昭選手など、下からの突き上げもありますが、そこに焦りなどはないですか?

もちろん自分のプレータイムを獲得することに関しては負ける気はないです。絶対的な自信も持っているので焦りは正直ないですね。「俺が俺が」っていうグイグイな感じはなく、どうやってチームを勝たせるかにフォーカスしてます。

──そういうプレーヤーがいることはチームにとって大きいと思います。

自分もそう思うんです。プロなのでプレータイムを獲得するための世界ではあるのですが、その中で1人か2人は周りを冷静に見れるコート上の監督のような人物がいてもいいのかなって。歳を重ねるにつれてそう思うようになりました。

──では、来シーズンの目標はどこに置きますか?

12月までにこれくらいの成熟度、これくらいの順位と、いつも小さな期間で目標を設定しています。今シーズンはそれが後ろ倒しになってしまって、中断を迎えた頃に目標の強さに追いついた感じでした。自分としては発言を多くしながらチームを良い方向に持っていき、そのズレをなくして優勝したいです。

──では、最後にファンへメッセージをお願いします。

新型コロナウイルスの影響でバスケがなく、ストレスが溜まっていると思います。そのストレスを新シーズンが始まった時に会場で爆発させてください。

リュウを追っかけていた人は、彼と全く違うプレースタイルの西村を追いかけてください(笑)。千葉のファンは優しいから彼と対戦する時は拍手で迎えると思うけど、逆に大ブーイングで迎えてあげましょう。そのほうが盛り上がると思うので。

RECOMMEND