文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

ホームで士気旺盛な西宮、自信満々のパフォーマンス

年始のシーズン中断期間明けから1勝7敗、リーグ最下位から抜け出せない西宮ストークス。西宮市立中央体育館での金曜ナイトゲームで京都ハンナリーズと対戦した。京都は西地区の安定2位をキープ。立ち上がりは下馬評通り京都が先行する。

両チームともにオン・ザ・コート「1」の第1クォーター、西宮のキャメロン・リドリーはジョシュア・スミスがとの重量級センター対決に苦戦。長期のケガ明けでチームに加入してから間もないリドリーは、個のパワー勝負よりもチームを含めた動きの質で圧倒されてしまう。

試合開始から0-7とビハインドを背負ったが、西宮はホームでの勝利を求めて積極性を失わず、岡田優と道原紀晃のバックコートが得点を重ねて、第1クォーターを16-20とわずかなビハインドでまとめる。そうなるとオン・ザ・コート「2」でスコアラーのドゥレイロン・バーンズが使える第2クォーターは自信満々のパフォーマンスを披露。

バーンズのドライブは強力だが相手も警戒してくる。そこを逆手に取り、バーンズのドライブでズレを作ってパスを展開。インサイドのハーバート・ヒルにイージーチャンスを回し、ヒルはこのクォーターでフィールドゴール4本、フリースロー2本をすべて成功させ10得点。バーンズは2本の3ポイントシュートを含む8得点を挙げる。また守備ではゾーンディフェンスを効果的に使って京都に勢いを与えなかった。

チーム一丸、勝利への執着心を見せた京都

ところが後半開始早々、道原が個人ファウル4つのファウルトラブルでベンチへ。前からのディフェンスとチャンスメークで貢献していた道原が不在となったことでチームは推進力を失った。第3クォーターを終えて53-50とリードを保ったが、最終クォーターの立ち上がりで崩れてしまった。西宮は自信のあるオン「2」のはずが、リードしたことで受けに回ってしまう。

綿貫瞬が強気のボールプッシュで攻めのテンポを上げた京都は、第3クォーターまで沈黙していたジュリアン・マブンガの初得点を機にオフェンスが爆発。最終クォーター開始から8-0のランで逆転に成功した。綿貫からマブンガへとボールハンドラーを変え、ジョシュアがゴール下に鎮座しリムをガッチリ守る。片岡大晴、岡田優介は3ポイントシュートというより運動量重視のプレーで、リバウンドにルーズボールにと執着心を見せた。

マブンガは攻撃の起点になるだけでなく、西宮の爆発力のスイッチとなるバーンズとマッチアップして抑え込んだ。西宮はファウルトラブルの道原が戻り、難しいペリメーターシュートを
立て続けに決めるも他が続かない。

西宮は日本人選手が気を吐くも外国籍選手が不発

残り4分、味方のミスショットに反応して走り込んだ片岡が拾ってすぐさまねじ込み73-63とリードを2桁に広げてオフィシャルタイムアウト。終盤、西宮はあきらめずに追いかけるが、京都は冷静な試合運びでリードを保ち、83-76で勝利した。

ジョシュア・スミスは20得点17リバウンドといずれもゲームハイの数字を残し、マブンガは約20分のプレーで7アシストと、得点わずか4ながら逆転勝利に大きく貢献した。

西宮は岡田と道原が気を吐いたものの、優位に立ちたいオン「2」の時間帯、第2クォーターに18得点を挙げたバーンズとヒルのコンビが最終クォーターでは6点と不発。またリドリーは試合を通じて存在感を発揮できず、勝負どころでの外国籍選手の働きが勝敗を分けた。