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レブロンご満悦「ハングリーな選手が来てくれた」

試合後、コートでインタビューを受けたレブロン・ジェームズの声は枯れていた。新加入4選手(ジョーダン・クラークソン、ラリー・ナンスJr.、ロドニー・フッド、ジョージ・ヒル)がチームに合流してからの2日間、練習中に大声を張り上げていたらしい。

結果から言えば、新生キャバリアーズは敵地でセルティックスに快勝した。スコアは121-99で、レブロンが第4クォーターを通してベンチから観戦するほどの余裕もあった。この日の第1クォーター終盤、セルティックスのアーロン・ベインズと接触した際に右足の大腿部を痛めた影響もあったかもしれない。しかし、第2クォーター中盤にコートに戻ったレブロンは、24得点8リバウンド10アシストの『トリプル・ダブル』級の活躍で勝利に貢献。もし必要な状況に迫られていたら、指揮官タロン・ルーはレブロンを試合に戻していたはずだ。

新選手が加わった新生キャバリアーズの手応えについて、レブロンは「彼らのバスケットボールIQ、情熱、ハングリーさがチームを助けてくれる」と言う。

「ラリーとジョーダンはプレーオフを経験していないから飢えている。ジョージ・ヒルもプレーオフの舞台に戻る準備を整えているし、ペイサーズ時代の彼とは何度も対戦した。ロドニーも、昨シーズンにジャズでプレーオフを経験済み。ハングリーな選手が来てくれたよ」

今シーズン開幕時点でのチームと、新チームとの大きな違いはバランスにある。個々のネームバリューでは劣るとしても、ヒルは攻守両面に優れ、ポイントガードとして調和を取るタイプ。クラークソンとナンスJr.はレイカーズでもセカンドユニットの中心的存在で、フッドはシューターとしてジャズに貢献してきた。キャブズが放出したアイザイア・トーマス、ドウェイン・ウェイド、デリック・ローズは、プレースタイルが重なる部分が多かった。

ヒルは試合前日の練習後、レブロンという絶対的な存在がいるチームでの役割について、「バットマンは彼で、俺たちはロビン」と表現。「彼は史上最高の選手の一人。プレーのテンポは彼が決める。彼以外の選手は、それぞれの役割を可能な限りこなさないといけない」と続けた。

昨シーズン終了後、カイリー・アービングがレブロンからの独り立ちを志願してセルティックスにトレードされ、3年続いたレブロン、アービング、ケビン・ラブの『ビッグ3』は解消された。前半のチームは機能せずに解体され、4年連続のNBAファイナル進出に向け大改造が施された。

ヒルの言葉を借りれば、ロビン役を演じられる選手で主役のバットマンをサポートする体制が整った、ということなのだろう。チームとしての真価が試されるのはこれからだが、試運転は上々。プレーオフまでの2カ月間にどこまで連携を高め、チームとしての完成度を上げられるか。再スタートを切ったキャブズに注目だ。