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「もうオールスターの定義すら分からなくなった」

1年目にして平均16.5得点、7.7リバウンド、7.3アシストを記録しているセブンティシクサーズのベン・シモンズ。このままシーズンを終えれば、ほぼ間違いなく新人王に輝くだろう。だが、昨シーズンを全休した彼は、今シーズンに手に入るものすべてを勝ち取りたいと願っている。彼が欲しいのは新人王ではなく『オールスター選手』という称号だ。

出場選手が出揃った後、ケビン・ラブ(キャバリアーズ)、ジョン・ウォール(ウィザーズ)、クリスタプス・ポルジンギス(ニックス)が次々に負傷によりオールスター出場を断念することになったが、代替出場選手としてNBAコミッショナーのアダム・シルバーが指名した選手の中に、シモンズの名前はなかった。

代役出場であれ、立派なオールスター選手。その栄誉を得たのはゴラン・ドラギッチ(ヒート)、アンドレ・ドラモンド(ピストンズ)、ケンバ・ウォーカー(ホーネッツ)の3選手。ここに自分が入っていないことにシモンズは「もうオールスターの定義すら分からなくなった」と率直な気持ちを口にした。

「もしチームの勝敗で差をつけるなら、確かにドラギッチが先にくる。ところがシクサーズより勝っていないチームのケンバも選ばれた。だけど、スタッツは嘘をつかない」

アダム・シルバーの選考基準はこれまでの実績だろう。1年目のシモンズと、7年目のウォーカーを同じ物差しで測るわけにはいかない。1年目と同様の成績、もしくは成長した姿を2年目、3年目と見せ続けられれば、誰もがシモンズをオールスターに推す。だが、これに納得できないシモンズの気持ちも分かる。2年目までの選手が参加する『ライジング・スターズ・チャレンジ』に出場することになるが、彼はあくまでオールスターへの出場を望んでいた。

この憤りはシーズン終盤戦にぶつけ、来シーズンはファン投票によるオールスター・スターター入りを成し遂げてもらいたい。その時には笑顔で「スタッツは嘘をつかない」と言えるはずだ。