『ビビった』デビューから吹っ切れた宇都直輝「自信のあるプレーには自信がある」

2018/02/07
日本代表
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文=丸山素行 写真=野口岳彦、丸山素行

自分のプレーを見せることを意識して挑んでいる

ワールドカップ1次予選を戦う日本代表の予備登録メンバー24名が発表された。田臥勇太の代表復帰などいくつかのサプライズはあったが、やはり昨年11月の2試合を戦ったメンバーが主体となっている。この時に代表デビューを飾った宇都直輝も当然のように名前を連ねた。

昨日メディア向けに公開された強化合宿の午前練習を終え、宇都は充実した表情を浮かべていた。「今回は選ばれる選ばれないは抜きにして、とにかく自分のプレーを見せることを意識して挑んでいるので、すごく良い感じです」

『今回は』という言葉に違和感を感じるが、前回の合宿では「まだ自分のプレーができていないんじゃないか」という疑念を抱えながらの状態だったという。

宇都は189㎝の長身ポイントガードとして、他のポイントガードとは一線を画している。もちろん宇都も自分の長所を理解しており、「リバウンドもいつも以上に絡みにいってますし、デカいメリットを出していかないと」と以前よりも積極的にプレーしている。

24名の予備登録メンバーから12名のベンチ登録メンバーへ。強化合宿は生存競争の場でもある。その中で最年少の15歳で代表に選出された田中力にアドバイスを送る宇都の姿があった。「もちろん競争はあるんですけど、一人ひとりがより良い、勝つためのプレーを求めているので、そういった声かけはみんな自ずと出てくるのかなと思う」と、何よりも勝利に意識が向いている。

『代表仕様』のプレーを会得し、世界と戦う準備を

全体練習を終えた宇都はテクニカルスタッフとともに居残り練習をしていた。ドライブからのレイアップの軌道を高くし、フローターに近いシュートを何度も繰り返し放っていた。宇都は「代表仕様ですね」と話す。

「国際試合では外国人を抜いて、ヘルプに来るのも外国人です。そうなると微妙なコントロールができないイメージがあるんです。だから最初からビッグマンのヘルプが関係ないシュートを練習しておけば、いようがいまいが関係ないので」

約2週間後には本番が訪れる。それでもこのわずかな期間に少しでもスキルアップをしようと、宇都は試行錯誤を重ねる。「求められているのは確実にドライブなので、技も増やしているところです。スピードとか能力に任せたプレーじゃなく、IQや技術、緩急をつければもっと止めづらくなるのかなって思ってます」

「カッコ悪い言い方をすれば、ビビった」

宇都は昨年11月のフィリピン戦で初めて日の丸を背負いコートに立った。続くオーストラリア戦でもプレータイムを得たが、本来のパフォーマンスを見せられたとは言いがたい。彼自身も「正直、もうちょっとやれる感じはありました」と後悔を口にする。

「緊張なのか、遠慮なのか。すごく中途半端なプレーになってしまって、ドライブに行けるのにパスしてしまったり、シュートに行けるのにパスしてミスした面もありました」

対戦相手のプレッシャーや会場の雰囲気、いろいろな要素が合わさっての結果だろうが、宇都は一番の原因を『自身のメンタル』と言う。「自分が委縮しました。カッコ悪い言い方をすれば『ビビった』。もちろん相手も強かったですけど、やれない相手ではなかったですし。単純に自分のプレーに自信を持てていなかったというのが大きいと思います」

強気な発言やコート上の立ち居振舞いから、宇都は強心臓で物怖じしない選手だと周囲からは思われている。だから代表でもいつも通りのプレーをしてくれると信じていた。「ある意味期待を裏切った」と宇都も認めている。

だが『宇都ならやってくれる』という根拠のない期待はこちらが勝手に作り上げたもの。「本当はめちゃくちゃメンタル弱いですよ」と宇都は苦笑する。「ただ、自信のあるプレーに対しては自信があります。だから3ポイントシュートは打たないじゃないですか(笑)。その差が激しいですが、基本的に自信のあるプレーしかしないです」

「自信を取り戻すという気持ちより、単純に自分のプレーをしっかりしたい」と前を向く宇都は、自分の長所と短所を完璧に理解している。長所を全面に押し出しているから宇都は『不適なオーラ』を纏っているのだ。

日本はホームのフィリピン戦、アウェーのオーストラリア戦で2連敗を喫し、まさに『崖っぷち』状態。22日のチャイニーズ・タイペイ戦では前回の苦い記憶を払拭するとともに、自信のあるプレーで日本を勝利に導いてほしい。