文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

拮抗した展開が続いた前半の攻防

昨日行われた、西宮ストークスvs大阪エヴェッサ第1戦。ディフェンスからペースをつかみ、トランジションオフェンスとインサイドで上回った大阪が後半で49-24と圧倒し、大阪が関西ダービーを制した。

先手を取ったのはホームの西宮。キャメロン・リドリーのスクリーンをうまく使い岡田優がミドルシュートを決め、速攻も出てスタートから2分半で8-2とリードした。タイムアウトを取った大阪がディフェンスを修正すると勢いが止まり、復帰戦となったエグゼビア・ギブソンを起点とするオフェンスに逆転を許した。

西宮の反撃は第2クォーターの後半から。道原紀晃がポイントシュートを沈めたタイミングでオフィシャルタイムアウトを迎え、西宮に流れがやって来る。リドリーがしぶとくオフェンスリバウンドを拾い、岡田が3ポイントシュートを沈め、セカンドチャンスポイントで追撃すると、ドゥレイロン・バーンズの3ポイントシュートで締めた西宮が33-32と逆転し前半を終えた。

ディフェンスの強度を高めた大阪が後半で圧倒

前半は拮抗した展開になったが、後半になって時間が進むにつれ大阪が試合を支配していく。キース・ベンソンが2ブロックとゴール下で存在感を放ち、リドリーをシャットアウト。さらに1対1のディフェンスとローテーションディフェンスが機能し、西宮は合わせのプレーがほとんど出ず個人プレー頼みとなり得点が伸びない。

第3クォーター後半、リドリーがベンチに下がっているタイミングで大阪がギブソンを投入すると、これが大当たり。ギブソンはオフェンスリバウンドからダンクを決め、ディフェンスでもリングを守る。そのリバウンドから速攻を連発し、ラスト2分で10-2と一気に突き放した。第4クォーター最初のオフェンスでギブソンのインサイドアウトから今野翔太が3ポイントシュートを決め、58-46と点差を2桁に乗せた。

西宮はシュート精度が上がらず、18得点を挙げてオフェンスを牽引していた岡田が足を痛めて最終クォーターでプレーできなかったことも痛手となった。強度の落ちない大阪のディフェンスのダブルチームやディナイにより、このクォーターだけで7ターンオーバー。残り5分を切ってリドリーが4ファウルでベンチに退いたところで西宮には打つ手がなくなった。ラスト5分を6-17と大阪に圧倒され、最終スコア57-81で敗れている。

「成功体験として成長していきたい」

勝利した桶谷大ヘッドコーチは「前半にオフェンスでの判断が悪くて、自分たちで流れをつぶしてしまった。後半に入ってハーフコートでやるべきことを一つずつアジャストし、オフェンスで良い部分が出せた。ディフェンスでは相手のストロングポイントを消せるようにしたい」と振り返り、「今日やったオフェンスを成功体験として頭に入れて成長していきたい」とオフェンスには手ごたえを得た模様だ。

この試合がデビューとなったギブソンが18得点、5試合目となったベンソンが17得点14リバウンドと、新加入の外国籍選手がインサイドを制圧した。それでも「オン1の時は良い感じでプレーしていたが、オン2の時にお互いがスペースをつぶしてしまったところがあったので、もう少しビルドアップしてきたい」とさらなる連携を求めた。

今シーズン初の3連勝となった大阪は西地区3位に浮上した。一方、西宮はシーホース三河から金星を挙げてから3連敗を喫している。