文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

トランジションバスケで前半に大量リード

レバンガ北海道vsアルバルク東京のゲーム2。ゲーム1では最終クォーターの得点をわずか6に封じられ67-73で敗れたA東京だったが、前半からアップテンポなバスケを披露し集中力を切らさず、90-61と前日の雪辱を果たした。

序盤は互いに点を取り合い拮抗した展開が続く。だが残り4分を切り、田中大貴のフリースローで15-14とリードした場面から、A東京のトランジションオフェンスが牙をむく。タフショットを打たせ、ディフェンスリバウンドを取るとすかさずボールを前線に送り、正中岳城とブレンダン・レーンが連続で速攻を決めた。ディフェンスでも合わせのプレーを許さない。

第2クォーター開始直後、A東京は再びトランジションから田中が2本連続で3ポイントシュートを沈め、リードを広げる。

反撃に転じたい北海道だが、ブロックしたボールをマイボールにできない。ショットクロックギリギリでタフショットを打たせても、それを押し込まれるなど、ディフェンスは機能しているがそれが結果に表れない。速攻を防ごうとしたマーク・トラソリーニがアンスポーツマン・ライクファウルをコールされるなど、我慢の時間が長すぎてフラストレーションが溜まっていく。

心を折るセカンドチャンスポイントと速攻

46-28とA東京がリードして迎えた後半、菊地祥平のドライビングレイアップが決まり、開始1分で点差は20の大台に乗った。ホームの北海道は気持ちが切れず、粘り強いディフェンスで食らい付き、44-56と点差を詰める。

だが今日のA東京は畳み掛ける爆発力が光った。アレックス・カークがオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを奪うと、正中がわずかなスペースから3ポイントシュートを沈める。また竹内譲次と正中が一瞬の隙から速攻を決め、第3クォーターラスト3分間で11-2のラン。20点差で最終クォーターを迎えた時点で勝敗はほぼ決していた。

このクォーターのオフェンスリバウンドで10-1と大きく差をつけ、最後まで集中力を切らさなかったA東京が、結果的にすべてのクォーターを上回り、完勝を収めた。

正中「自分がステップアップしないといけない」

ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「北海道のディフェンスに対してピック&ロール中心に攻めましたが、1対1でアタックすること、周りが良いスペースで待つことを心掛けました。そして今日は良くシュートを決めてくれた」と勝因を語る。

また「我々は層が厚いので10人から11人が常に全力でプレーして活躍する場を与えてます」とチームの特徴を説明。「ベンチメンバーがしっかり仕事をしてくれました」とセカンドユニットの活躍に満足げな表情を浮かべたように、レーンが16得点、正中が12得点を挙げている点も大きかった。

その勝利の立役者のうちの一人となった正中はこう語る。「昨日の敗戦を受けて、誰かがステップアップしていかないといけませんでした。ケガ人が多い中で自分が出場時間を与えられたので、自分がステップアップしないといけないと思いました。正しいプレーをして勝ち切れて良かったです」

北海道は終始素晴らしいディフェンスを見せたが、オフェンスリバウンドで5-18と大きく水をあけられ、セカンドチャンスポイントや速攻での失点がかさんだことがこの結果につながってしまった。

同地区決戦は1勝1敗の痛み分けとなった。チャンピオンシップ出場を見据えると、激戦の東地区では特に直接対決での勝敗が大きな意味を持つことになりそうだ。