ドワイト・ハワード

2013年の退団直後は怒り「二度とレイカーズに戻るつもりはなかった」

昨年のオフに最も注目された移籍の一つは、ドワイト・ハワードのレイカーズ復帰だ。

前回所属した2012-13シーズンのレイカーズは、ハワードら主力のケガもあり、周囲の期待に応えられなかった。しかし、それ以上にコービー・ブライアントとの不仲が取り沙汰され、わずか1年の在籍に終わった。

その後ロケッツ、ホークス、ホーネッツ、ウィザーズを渡り歩き、昨年レイカーズと2度目の契約を結んだが、前回と同様に不協和音になるリスクが高いとの声が周囲から挙がっていた。その理由は前回在籍した時の終わり方の印象が、あまりにも悪かったからだった。

しかし今シーズンのハワードは、開幕からセカンドユニットの一員として守備とリバウンド、ブロックでチームの開幕ダッシュに貢献。62試合(先発出場は2試合のみ)に出場して、平均7.5得点、7.4リバウンド、1.2ブロックを記録した。頼れる存在というだけではなく、ベンチのムードメーカーの一人でもあり、レブロン・ジェームズとの相性も良い。

今でこそレイカーズ復帰は大成功と言えるものの、ハワードは2013年に退団した直後は「二度とレイカーズに戻るつもりはなかった」と、チームメートのジャレッド・ダドリーとのInstagram ライブインタビューで語った。

「前回のレイカーズでの終わり方には腹が立っていた。退団したことを批判されて、『二度と戻るか』と思ったよ。その時は本当に腹が立って、大嫌いな場所になっていた」

しかし、ハワード自身もバスケットボール選手として紆余曲折を経験し、心境にも変化が見られた。「去年の夏、自分のエゴを捨てる努力をした。不当な扱いを受けたと感じた当時の状況、その時の関係者を許せるかをよく考えた。そう考えた時に『待てよ、あの時は俺が間違っていたのかな?』と思って、それで水に流さないといけないと思い直した」

ハワードは無保証の契約から今シーズンをスタートさせ、自らの力でシーズン終了までの契約を勝ち取った。今年のオフにはフリーエージェントになるが、エゴを消し去り、与えられた役割に徹することができる今のハワードならば、レイカーズの方から再契約を申し出るのではないだろうか。