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ファンを押しのけたウェストブルックにお咎めはなし

2月1日にデンバーのペプシ・センターで行なわれたサンダーvsナゲッツの一戦後、あるトラブルが発生した。

試合は、ゲーリー・ハリスが第4クォーター残り0.3秒に決勝3ポイントシュートを成功させ、ナゲッツが127-124で勝利。この直後、ボールを持ったサンダーのラッセル・ウェストブルックの目の前に観客が乱入し、ウェストブルックがこの男性を押しのけた。

この部分だけがソーシャルメディア上で話題になり、敗戦に苛立ったウェストブルックが観客に手をあげたと思ったファンもいたかもしれない。しかし、この件についてリーグはウェストブルックとサンダーに処分を科すことなく、この男性ファンを入場禁止処分とした。 左手で男性を押しのけたウェストブルックは、自分を守るために仕方なかったと思うかを聞かれ「当然だ」と答えた。

今回の出来事は、会場内の警備上重大な問題になり得る。今回は、単に連敗を脱したナゲッツファンが、喜びのあまりコートに入って来ただけで、その意味では幸いだった。だが、もし選手に悪意を持った暴漢が凶器を持ってコートに簡単に入って来るようならば、選手が危険に晒されてしまう。

かといって、警備員の数を過剰に増やせば、試合を楽しみに会場に足を運ぶ大多数のファンの視界を遮ってしまう。コートと客席を柵で隔てるようになれば、観戦の楽しみは大きく損なわれてしまう。

ライブスポーツは、選手、ファン、会場が一体となって作り出すもの。最高の体験を得るためにも、観戦マナーを守ることが求められる。