金丸晃輔

「『精密機械』は誉め言葉として受け止めていいんですかね?(笑)」

『B.LEAGUE AWARD SHOW 2019-20』最終日は、レギュラーシーズンベスト5が発表された。シーホース三河の金丸晃輔はベストフリースロー成功率賞に続き、ベスト5にも選出され、ともに4年連続4回目の受賞となった。

アワード終了後にオンラインでの取材に応じた金丸は「今年で4年連続の受賞となりましたが、選手にとって形として評価されるのが一番うれしいことで自信にも繋がります。素直にうれしいです」と喜びを語った。

金丸はベスト5に選出された理由を「シュートの部分が大きいと思います。フリースロだったり、3ポイントシュートはリーグタイ記録を出せたので、そこを評価してもらえたのかな」と言う。

今シーズンの三河は中地区2位でシーズン終了を迎えたが、開幕当初は6連敗を喫するなど大きく負け越していた。ロスターも変わり、オフェンス能力が高い選手が集まった三河だったが、「チームとしてもメンバーがコロコロ変わるのはケミストリーを築く部分では難しい」と金丸は振り返る。

「今シーズンもメンバーがガラっと変わって、『僕はこうやりたい』というコミュニケーションをとっても、簡単にはできないから難しかったです。ただ、シーズン終盤にはチームで戦う上で大切なことをチームのみんなが理解して、そこに僕がフィットできたこともあります。タラレバですが試合が続いていたら、もっと良くなっていたのかなと思います」

「今シーズンはピック&ロールやインサイドプレーが上手い選手が加入してくれたので、そこは助かりました。その分、後半でしか見せられませんでしたが、3ポイントシュートのアテンプトを増やす、積極的にシュートを狙うことに集中できました」

金丸晃輔

「新記録を狙いますが、次は観客がいる状況で達成したい」

金丸と言えばシュート精度の高さから『精密機械』と称されることがある。今シーズンはフリースローを65本連続で決め成功率97.4%を記録し、3ポイントシュート成功率も44.8%を記録するなど高値安定のパフォーマンスを発揮した。

本人は『精密機械』と呼ばれることに対し、「それは誉め言葉として受け止めていいんですかね?(笑)」と言いつつも、「評価として受け止めたいので素直にうれしいです。ただ『機械』という言葉で評価してくれるということは、来シーズンはフリースローを落とせないですね」と笑顔で語った。

そんな金丸が今シーズンで一番印象に残っている試合は「66本目のフリースローを落とした試合が一番印象に残っています」と言う。また、Bリーグ記録に並ぶ11本の3ポイントシュートを成功させたが、その試合は今シーズン最後のゲームとなった無観客試合だった。

「新記録を出したかったですが、ゲーム終盤あたりから『あと何本で新記録』という声がベンチからも聞こえたりしたので、今思えばそれも多少プレッシャーになったのかなと(笑)。残念ながら無観客だったけど、もし観客の皆さんがいたらどれだけの歓声が聞こえていたのかなという思いはあります。新記録を狙いますが、次は観客がいる状況で達成したいです」

開幕当初はチームとしても個人的にも苦しんだシーズンだったが三河の顔として戦い、徐々に金丸らしいバスケットを取り戻し、レギュラーシーズンベスト5を受賞した。今シーズンは久しぶりに日本代表に復帰したりと、31歳の金丸はまだまだ成長を遂げるはずだ。